2009年11月28日

米政府の組織から上院/下院議員まで,競ってツイッターで情報発信

 アメリカの政府関連組織は議員も含めて,ツイッターを利用した情報発信に意欲的だ。

 アメリカ政府関連のツイッター・アカウントの一覧集としては,このサイトが多く集めてくれている。ホワイトハウスを筆頭に国防総省,農務省,商務省,保健社会福祉省,エネルギー省 ,海外のアメリカ大使館,NASAなどが公式にツイッター・アカウントを持っている。多くの議員もつぶやいている。

 これまでのところつぶやくのが最もお好きな省は,国防総省のようだ。同省では,統合参謀本部(@thejoinsutaff)や陸軍(@usarmy),海軍(@NavyNews)からあの第7艦隊(@US7thFleet)までがツイッターアカウントでメッセージを発している。

 もっともフォロワー数が多いのは,やはりホワイトハウスのアカウント(@whitehouse)である。約150万人がフォローしている。

TwitterWhitehouse.jpg

 そのホワイトハウスがこのほどフォローしているリスト(@whitehouse/usg)を作成した。現在,41アカウントを選んでいる。そのメンバー一覧はこちらで。


◇参考
USGovernment(Twitter Fan Wiki)
The White House Posts a “Twitter List” of Selected Government Twitter Feeds(ResourceShelf)
Making A List, Checking It Twice(The White House Blog)
U.S. Government RSS Library(USA.gov)

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2009年11月27日

WSJもツイッターに注力,アカウント数が50を超える

WSJ ON TWITTER.jpg

 ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)もTwitterのサポートに力を入れ始めている。

 “WSJ ON TWITTER”の看板が出ているページには,以下のようなWSJ.comのTwitterアカウント一覧表が掲載されている。ニュースのカテゴリー別やブログ別に,50を超えるアカウントが揃っている。WSJ.comの関連サイト,たとえばBarron's(barrons.com), MarketWatch(marketwatch.com),All Things Digital(allthingsd.com)などでも,アカウントが用意されているので,それらも含むと約70種が揃っている。


WSJTwitter.jpg

 News Tweetsで最初に紹介されているTop Storiesのアカウントページを以下に。

WSJonTwitter.jpg

 ここで,リストにどのようなアカウントをフォローしているかが気になったので,@WSJ/newsを覗いてみた。フォローしているアカウントのメンバーは15のニュースサイトであった(現在はReutersも加わって,16メンバーに)。NYTやFTなどの競合ニュースサイトだけではなくて,会長マードックが嫌っているGoogle Newsや新興ブログ新聞であるHuffingtonPostも加えているのは、さすがである。

WSJTwitternews.jpg


 WSJ.comの関連サイトの中から,All Things DigitalのTwitterを見てみよう。このサイトはWSJ紙の元記者(テクノロジージャーナリスト)などが活躍しているブログベースのソーシャルメディアである。ジャーナリストからブロガーに転向した連中の集まりとも言える。その中の人気ブロガーであるKara Swisherさんは,ブログBoomTownとともに,@karaswisherからツイッターでも発信している。以下のように,50万人を超えるフォロワーを抱えている。

WSJTwitterKaraSwisher.jpg


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2009年11月26日

WSJ記事の独占的な検索,マイクロソフトがニューズに支払う金額は?

 マードック率いるニューズ社( News Corp.)は,マイクロソフトと組んでグーグルに対決することになった。ニューズのコンテンツを,グーグルには検索させないで,マイクロソフト(Bing)にのみ検索させることになりそう。

 ニューズのコンテンツの目玉は,もちろんウォールストリート・ジャーナル(WSJ)。マイクロソフト(MS)としては,WSJの記事を検索できるのはBingだけとアピールして,検索市場で独走するグーグルに対抗していきたいのだろう。

 メディア企業のコンテンツをタダで利用して検索事業で大儲けしていると,マードックはグーグルを泥棒呼ばわりしていた。そこで、システム的にニューズのコンテンツをグーグルの検索エンジンで引っかからないようにしてしまいたいそうな。一方の提携するMSには,WSJなどのコンテンツを優先的に提供し,Bingで検索できるようにしていく。でも話の筋からして,ニューズはMSにコンテンツをタダで提供するわけにはいかない。MSはコンテンツ利用料をニューズに支払うことになる。

 では,MSはニューズにいくらぐらい支払うのだろうか。MSが検索したいコンテンツは,実質的にはWSJ.comである。そのための支払額は,Silicon Alley Insiderによると年間1500万ドルと予測している。

 Silicon Alley Insiderは年間支払額を次のようにはじいた。Hitwiseのレポートによると,WSJ.comへのトラフィックの25%がグーグルサイト経由からとなっている。WSJ.comの記事をグーグルが検索できなくする措置を取ると,その25%のトラフィックを失うことになるのだ。WSJ.comのトラフィックが25%減ることにより,広告売上が10〜15%減ると見積もっている。WSJ.comの広告売上高は1億ドル程度と推定しているので,1000万ドル〜1500万ドルの売上が消える計算になる。

 グーグルに対してWSJ.comコンテンツの検索を禁止させて,それに合わせてMSに独占的に検索を認めるとなると,そのためWSJ.comが被る1000万ドル〜1500万ドルの損失を少なくともMSが補うべきと,Silicon Alley Insiderは見ているのである。

 ところで,グーグルはWSJ.comのコンテンツが検索対象から外れることで打撃を受けるのだろうか。たとえ直接の検索対象から除かれても,WSJ.comの記事は完全にブロックされないのでは。ブログやツイッターを介してグーグル検索でも引っかかるはず。また,有力な新聞サイトやニュースサイトが,グーグル検索から離れてMSのBingに一斉になびくことはあり得ないであろう。

 以下のHitwiseの調査からも明らかに,グーグルサイトは新聞サイトに大量のトラフィックを供給している。一方のBingが運んでくれるトラフィックはまだわずかである。グーグル検索を切ってBingに検索用のコンテンツを提供すればMSがコンテンツ提供料を支払うと誘っても,それに応える有力新聞サイトはほとんど現れないのでは。グーグルと友好関係のあったNYTとかReutersが応えるとは考えられないのだが。


HitwiseNewspaper.jpg
(ソース:Hitwise)



◇参考
News Corp. Joined by Rivals Weighing Google Block (Update2)(Bloomberg)
News Corp. - If You de-Index Will They Still Come?(Experian,Hitwise)
WSJ Could Ditch Google For $15 Million From Microsoft (MSFT, GOOG, NWS)(Silicon Alley Insider)

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2009年11月25日

マードックのグーグル封鎖,MediaNewsやBeloも呼応

 マードックのグーグル封鎖に同調するかのように,MediaNewsやA.H. Beloも彼らのニュース記事をグーグルサイトから取り去る方針だ。

 マードック率いるニューズ社(News Corp.)と同様,MediaNewsやBeloもオンラインコンテンツの有料化を進めている。そこで同じくGoogle検索やGoogle Newsで彼らのニュース記事の利用ができないようにするという。

 インターネットサービスを逆流させようとするこの動き,うまくいくとは思えない。NYタイムズやReuters,ガーディアンなどが加われば,話は別だが。


◇参考
News Corp. Joined by Rivals Weighing Google Block (Update2)(Bloomberg)
MediaNews Prepares Two Papers For Pay Walls Next Year(paidContent)
MediaNews Group, Belo Mull Blocking Google, Too(MediaBuyerPlanner)
MediaNews, A.H. Belo May Join The ‘Block Google’ Faction(paidContent)
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2009年11月23日

米新聞産業,暗いトンネルから抜け出せない

  米新聞協会(NAA:Newspaper Association of America)から,2009年第3四半期の広告売上が発表されたが,長くて暗いトンネルから抜け出せない。

  米新聞の総広告(プリント広告+オンライン広告)売上は,以下の表のように,2006年第3四半期から13四半期連続して前年同期比マイナス成長となった。さらに深刻なのは,下落率の幅が大きくなってきていることで,8四半期連続して二ケタのマイナス成長となっている。

NAAAd09Q3.jpg

 以下にグラフ表示を。09年第3四半期は-27.9%とマイナス成長率が少し持ち直したものの,下落率そのものは相変わらず大きい。

* 米新聞社の総広告収入と四半期別伸び率(米新聞協会) 単位:100万ドル
NAANewspaperAdTotal09Q3.jpg

 プリント(新聞紙)広告とオンライン広告に分けて,それぞれの四半期売上高の伸び率を折れ線グラフで以下に示しておく。プリント広告の低迷が続くのは仕方がないにしても,オンライン広告売上が6四半期連続してマイナス成長となっているのが辛いところだ。さらにそのマイナス成長率が大きくなっており,オンライン事業に賭けようとする米新聞社にとって,いつになったらトンネルから抜け出す活路を見いだせるのだろうか。


*米新聞社のプリント広告収入/オンライン広告収入の四半期別伸び率(米新聞協会)
NAANewspaperAd09Q3.jpg



◇参考
Ad Revenue Sees 13th Consecutive Quarter of Decline in Q3(Editor&Publisher)
Newspaper Circulation May Be Worse Than It Looks(NYTimes.com)


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2009年11月22日

BBCのニュース見出し,検索エンジン向けと読者向けの二つを用意

 英BBCのニュースサイトでは,SEO(検索エンジン最適化)対策として長いニュース見出しを用意することになった。

 Steve Herrmann氏(editor of BBC News website)によると,BBCのニュースサイトへのトラフィックのうち,29%は検索エンジンからであるという(英国内のトラフィック)。その検索エンジンからのトラフィックをさらに増やすために,ニュース見出しをフロントページ向けと本文ページ向けとの二つを用意することにした。

 多くのニュースはフロントページに見出しが表示され,そこをクリックすると本文ページに飛ぶことになる。でも,検索エンジンやソーシャルメディア(ブログなど)から特定ニュースへのアクセスは,フロントページをパスして本文ページに直接辿りつく。

 そこで,本文ページのニュースは検索されやすい見出しにすべきである。BBCでは本文ページのニュース見出しを最大55文字まで許し,キーワードを多く含むことができるようにした。一方フロントページでの記事見出しは,ユーザーが多くの見出しから読みたいニュースを素早く見つけ出せるように,見出しは短く直観的にわかるようにすべきであろう。そのため,見出しの長さは31〜33文字とした。


 その具体例として,マイケル・ジャクソンが初めて「ムーンウオーク」を披露した特に着けていた手袋が35万ドルで落札されたニュースの見出しを見てみよう。

 フロントページでは,そのニュース見出しは“Jackson glove sells for $350,000”となっていた。

BBCFrontPage0911.jpg


 一方本文ページでは,以下のように“Michael Jackson Moonwalk glove auctioned for $350,000”と長い見出しとなっていた。


BBCSEO0911.jpg


 本文ページの見出しには,“Moonwalk”や“Michael”といったキーワードが加わっており,検索エンジンでこのニュースが見つかりやすくなっている。一方のフロントページでの短いニュース見出しは人間にとってわかりやすくしており,モバイルでもその見出しを使う。

 
 NYtimesの例でもそうだが,米英のマスメディアのニュースサイトでは,検索エンジンやソーシャルメディアからのトラフィックを増やすことに力を入れてきており,今後さらに強化が進みそう。


◇参考
Changing headlines(BBC)
BBC bows to SEO(Guardian)
NYTimesのサイト, ブランド依存から脱却し検索エンジン対策も(メディア・パブ)


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2009年11月18日

NYタイムズ,ツイッター対応に本腰

NYTonTwitter.jpg


 NYタイムズがTwitter(ツイッター)による情報提供に本格的に乗り出したようだ。

 ソーシャルメディア対応ではいつも先行するNYTimes.comであるが,ツイッターに関してはやや様子見のところがあった。ところが先ほど出くわした「The New York Times on Twitter」のページを見ていると,かなり積極的にTwitterに取り組んでいる。


 まず目についたのは,すでにTwitterアカウントを200種以上も用意していたこと。NYTのスタッフ対応のアカウントもあるし,またニュース分野やブログ対応のアカウントもある。

 かつてRSSフィード配信サービスを始めた時もそうだったが,Twitterアカウントでも細かくセグメント分けしてテーマを絞っているのが特徴である。ユーザーは雑音の少ない形で,情報収集ができる。以下のセグメント別にTwitterアカウントを紹介していた。セグメントによっては,さらに細分化されているものもある。

Arts
Autos
Books
Business
Dining and Wine
Education
Environment
Fashion and Style
Games
Home/Garden
Inside The Times
Interactive News and Graphics
Magazine
Media
Movies
Multimedia, Photo, and Video
N.Y./Region
National
Newsroom Editors and Producers
Obituaries
Opinion
Politics
Real Estate
Science and Health
Sports
Technology News
Travel
Weddings
Week in Review
World



 これとは別にリスト(NY TIMES LISTS)も作成している。こちらの方が個人的には興味がある。各リストには,NYTのTwitterアカウントだけではなくて,外部のアカウントも選りすぐっている。次のように,18カテゴリーに分けて,リストが紹介されている。下の例では,Art部門のリスト「Broadway Shows」が含んでいるアカウント一覧を示している。現時点では38のアカウントを選んでいた。

NYTTwitterArtBroadway.jpg


 そのリストのページを以下に。

NYTBroagwayShows.jpg

 各リストに加えるべき優れたアカウントがあれば,提案して欲しいと読者に呼びかけている。いいリストが整備されていけば,RSSリーダーよりも効率よく情報収集ができるのかな。




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2009年11月16日

軌道に乗ってきた商業ブログ出版,米国では職業ブロガーが45万人も?

 半年ほど前にWSJの記事が,米国の職業ブロガーが45万人を上回ったと伝えていた。その時はブロガーで生計を立てている人がそんなに多くいるとは,とても信じられなかったのだが・・・。これはTechnoratiやeMrketerの調査データをもとにはじきだした数字である。

 だが,米国のサイトを見てまわっていると,ブロガーが確かに専門職として定着してきているようだ。商業のブログパブリッシャーが根付いてきたこともあるし,ジャーナリストやフリーランサーからブロガーへの転向がかなり増えてきている。米国では特定のテーマに絞ったエッジの利いたサイトが多いが,そこでも職業ブロガーが活躍している。

 24/7 Wall St.がブログパブリッシャーのランキングを発表していたので,それを以下に載せておく。ブログパブリッシャーは幾つかのブログを発行している商業ブログ出版社と見ておけばよい。こうした商業ブログの多くは個人ブログではなくて,複数のブロガーを抱えたグループブログが多くなってきた。そのブロガーも,職業ブロガーが中心になっている。


*米国のブログパブリッシャーのトップ25(24/7 Wall St.が算定したバリュエーションのランキング)
1. Gawker Properties, $300 million.
2. The Huffington Post, $112 million.
3. Perez Hilton, $44 million.
4. Drudge Report. $42 million.
5. TechCrunch. $32 million.
6. PopSugar Properties. $26 million.
7. Politico. $23 million.
8. MacRumors. $20 million.
9. Boing Boing. $18 million.
10. Mashable. $17.5 million.
11. Seeking Alpha. $16 million.
12. GigaOm. $15 million.
13. Breitbart Sites. $11 million.
14. SB Nation Network. $8 million.
15. ReadWriteWeb. $7 million.
16. The Business Insider. $7 million.
17. Destructoid. $5 million.
18. Apple Insider. $4.5 million.
19. //film. (SlashFilm). $4 million.
20. SearchEnginLand. $4 million.
21. Smashing Magazine. $3.5 million.
22. Talking Points Memo Sites. $3.5 million.
23. VentureBeat. $3 million.
24. The Superficial. $3 million.
25. 24/7 Wall St. Network. $???.

 ブログパブリッシャーはいずれも規模が小さいが,ようやく軌道に乗り出したようだ。広告のCPMも今年の年初から目立って回復してきたという。また,1年前に比べてビジター数も増えてきている。

 トップGawker Mediaの収支やブログ・トラフィックが出ていたので下に掲げておく。世の中は不景気だが,頑張っている。

*Gawker Mediaの設立以降のページビュー推移。2009年10月のページビュー数は3億9400万に。
GawkerMedia0909.jpg



*Gawker Mediaの売上高と経費の推移
GawkerRevenue0910.jpg



*Gawker Mediaの9ブログのページビューの推移)
GawkerNov2009.jpg
Nick DentonのTwitterのリンク先)


◇参考
The Twenty-Five Most Valuable Blogs In America(24/7 Wall St.)
Then and Now, Seven Years of Blogging as Business(Gawker)
Gawker Media revenues up 45% in first half(Nick Denton)
Gawker Media: 394 Million Pageviews, 1 Steampunk Office(Silicon Alley Insider) 
America's Newest Profession: Bloggers for Hire(WSJ.com)


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2009年11月14日

マードックの矛盾,盗人グーグル経由で有料のWSJ記事がタダで読めるのはなぜ

  ひとつ前の記事で,「マードックがグーグルに禁じ手を使うのか,WSJなどのニューズ社の全コンテンツが検索不能になるかも」と伝えた。グーグルがまるで盗人のごとくメディアのコンテンツを勝手に使って,繁栄を謳歌しているとして,マードックが怒りを爆発させている。これからの課金モデルビジネスを軌道に乗せるために,ニューズ社のコンテンツがグーグルの検索エンジンに引っかからないように,禁じ手を使うぞとの脅しでもあった。

 彼はオンラインコンテンツの有料ビジネスの成功事例としてWSJ.comを取り上げ,WSJ.comを見習ってメディア業界が手を組んでpay wall(課金の壁)を設けるべきだと呼びかけている。ところがマードックの行動には矛盾が残っている。その有料のWSJ.comの記事がグーグルの検索エンジン経由でタダで読めることがあるのだ。

 試してみよう。先ほど,WSJ.comにアクセスしてみた。次のようなトップページ画面が現れた。

WSJ091113Charge.JPG

 
 ここで鍵マークが付いた記事が有料コンテンツである。そこで鍵マークの付いた記事"Hu Outlines Domestic Focus at APEC Summit"に飛んでみた。飛び先のページでは,その記事の本文は2行しか表示されないで,本文全文はpay wallで遮られた。購読申し込みの案内が出ている。

WSJPayWall0911.JPG


 だが,ソーシャルメデャアに馴染んでいる人だと,ここであきらめない。グーグルの検索エンジンに,以下のように見出しを入力する。

WSJGoogle.JPG

 検索結果のトップに,その記事が現れた。

WSJGooglefree091113a.JPG

  その検索結果をクリックすると,以下のように有料記事の全文がタダで閲覧できる。


WSJfree091113a.JPG

  実は,この種の仕掛けは前から施されていた。「有料のWSJ記事をタダで読む裏技,WSJがこっそりとソーシャルメディア対策を」でも既に紹介していた。ソーシャルニュースサイトDigg経由でも,有料記事が閲覧できた。


  ユーザーが新聞サイトのニュース記事に接触する経路として,二つのタイプがある。一つは,新聞サイトに目的地サイトとして訪れて,そこから好みの記事を閲覧していくタイプである。この経路を取るのは中高年者が多い。もう一つは,ソーシャルメディア経由で特定の記事を閲覧するタイプである。若い層が多い。

  そのソーシャルメディア経由のユーザーを増やすことに,新聞社サイトも力を入れ始めている。ソーシャルメディアで記事の存在が口コミで知れ渡るには,検索エンジンで検索されることが重要になる。ブロガーが検索エンジン経由でWSJ.comの記事にアクセスし,その記事をブログで引用する場合が多そうだ。実際,米国のソーシャルメディアでよく話題になる新聞社サイトの記事としては,NYtimes.comとWSJ.comが目立って多い。

 このように,ソーシャルメディア経由のトラフィックを増やすために,WSJはグーグルの検索エンジンの世話になってきたとも言える。ソーシャルメディアの世界では,有料コンテンツは相手にされない。そこで裏技的に,グーグル経由でアクセスすれば有料記事までが無料で読めてしまう。これだと,グーグルの検索エンジンでニューズ社のコンテンツをシステム的に検索させないようにすると困るのは,グーグルではなくてニューズ社(WSJ)ではないのか。

 ニューズ社のCOOもWSJのpaywallに問題があることを認識している(こちらの記事)。それでも,マードックはRupert Murdoch to remove News Corp's content from Google ‘in months’ とこぶしを上げてしまっただけに,・・・。大きな墓穴を掘らなければいいのだが。  


◇参考
News Corp COO ponders overhaul of WSJ's paywall system, others still don't think it will work(editorsweblog.org)

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2009年11月09日

マードックがグーグルに禁じ手を使うのか,WSJなどのニューズ社の全コンテンツが検索不能になるかも

 ニューズ・コーポレーション(News Corporation)の経営悪化に伴い,メディア王のマードックのイライラが募る一方だ。

 うまくいかないのはネット企業のせいだと,そこらじゅうでわめき散らす。最近では攻撃の矛先をネット企業の代表格であるグーグルに向けている。メディアのコンテンツを盗んでぼろ儲けしていると,グーグルを泥棒呼ばわりしてののしる始末だ。ダウ・ジョーンズのCEOであるヒルトンも,親分の怒りを支援して,グーグルをデジタル吸血鬼と非難する。

 でも,そんなにグーグルを毛嫌いするなら,robots.txtでブロックすればいいのに。グーグル検索エンジンからのクローリングをシステム的に拒否できるからだ。でも,グーグルの検索エンジンのサーチ対象外となるのは,ネットビジネスにとって自殺行為に等しい。そんなことは実施できないはずと,見られていたのだが・・・。

 それが,マードックが Sky Newsのインタビューの中で,「ニューズ社のコンテンツがグーグルから見えないようにするつもりだ」と答えたのだ。にわかに信じられない話だが。インタビューのビデオは以下に貼っておいた。

 もし実施すれば,The Wall Street Journal,New York Post,The Sun,The Times,Fox,MySpaceなどのコンテンツが,グーグル検索ではほとんど検索できなくなるはず。それらのコンテンツは,一般のユーザーにとって事実上,ネット上に存在しないことになるのかも。購読料を払ったユーザーだけのコンテンツになるのか。

 でもこの発言は,グーグルやヤフーなどのニュースアグリゲーターとの料金交渉を優位に進めるための,マードックの戦略かもしれない。




◇参考
Murdoch: We’ll probably remove our sites from Google’s index(mUmBRELLA)
Rupert Murdoch vows to take all of Newscorp's websites out of Google, abolish fair use, tear heads off of adorable baby animals(boingboing)


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2009年11月07日

「新聞の時代が終わった」と言い残し,East Valley Tribune紙が大晦日に廃刊へ

EndOfAnEra.jpg

 “End Of An Era” ひとつの時代が終わった・・・。

  米アリゾナ州の地方紙East Valley Tribuneが,今年の大晦日を最後に廃刊することになった。1891年創刊なので,120年近い歴史を刻んできた老舗紙である。廃刊に伴い,残っていた140人のスタッフもレイオフに。 


◇参考
East Valley Tribune to shut down Dec. 31(East Valley Tribune)
East Valley Tribune to Shut Down(Newspaper Death Watch)

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2009年11月05日

アップルのApp Store,登録アプリが10万本を超えたが,その8割はほとんど使われていない

  iPhoneやiPod touch向けのアプリを売っているApp Storeの登録アプリケーション数が10万本を突破した。ダウンロードの累計回数は20億回以上となっている。

  このようにアプリの種類が10万を超えているが,使われていないアプリがかなり多いようだ。Appsfireの調査によると,実際には上位2万種のアプリしかインストールされていないという。つまり残り8万種のアプリは事実上ほとんど使われていない。またiPhoneユーザーの約半数は, facebookや shazamといったごくわずかの定番アプリしか使っていない。

 利用者数とアプリケーション数の関係は,以下のグラフのように典型的なロングテールを示す。それも長い長いテールとなっている。

AppStore100000.jpg
(ソース:AppsFire)



◇参考
Apple Announces Over 100,000 Apps Now Available on the App Store(Apple,プレスリリース)
Good news: the App store grows to 100k apps/ Bad news: The long tail is VERY long [exclusive appsfire data](AppsFire.com)
Appsfire figures that most Apps aren't very successful(9 to 5 Mac)

posted by Kilimanjaro at 21:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | ケータイ モバイル
2009年11月04日

ソーシャルWebの台頭により企業サイトが目的地でなくなる

 インターネット上のトラフィックの流れが変わってきている。

 Google Trendsで,主要サイトのユニークビジター数のトレンドを眺めてみた。過去2年半の間で,主要Webサイトに世界中から訪れるユニークユーザー数がどう変化しているかを調べてみた。

 以下のグラフより,企業サイト,メディアサイトそれにポータルサイトも,ユニークビジター数が減る傾向にある。ネット調査会社のデータでは,必ずしもこれほどまでユニークビジター数が下降していないが,伸び悩んでいるのは確かである。一方で有力なソーシャル系サイトは,たとえばFacebookやTwitter,Tumblrなどの勝ち組サイトは,もの凄い勢いでユニークビジター数を増やしてきている。

 どうもユーザーが,企業サイトやメディアサイトをデスティネーションサイト(目的地)と見なくなっており,それに代わってソーシャル系サイトに向かっているようだ。  



企業サイト 
trendsCocacola0911all.jpg

trendsDell0911all.jpg

trendsHonda0911all.jpgtrendsNike0911all.jpg

trendSony0911all.jpg


メディアサイト 
trendsNYT0911all.jpg


trendsBBC0911all.jpg


ポータルサイト 
trendsYahoo0911all.jpg

trendsMSN0911all.jpg



ソーシャルネットワーキングサイト 
TrendsFacebook0911all.jpg

trendsTwitter0911all.jpg

trendsTumblr0911all.jpg


 上の企業サイトで取り上げたCoca-ColaやDell,Honda,Nike,Sonyは,以前からWebサイトでのPRなどの活動に力を入れてきた企業である。確かに,こうした会社のバイラルビデオを何度か見てきた覚えがある。だが,企業サイトに直接訪れてビデオを視聴したことはほとんどない。YouTubeの投稿ビデオをブログやSNSを介して視聴したからだ。

 すでに企業サイトもメディアサイトも,必ずしも自社サイトでユーザーを囲い込もうとはしていない。RSSフィード,ウィジェット,YouTubeのブランドチャンネル,Facebookのファンサイト,Twitterアカウントなどなど,いろんなチャンネルを介してユーザーが企業のメッセージやメディアの記事と接することができるようにしている。

 またユーザーの間では,企業サイトの情報やメディアサイトの記事を与えられたままではあまり信頼しなくなってきている。それよりも友人や特定の人のフィルターを通した形で情報や記事を信頼する傾向が強まっている。このため最近では,一般企業だけではなくて新聞や雑誌などのメディアもこぞって,ソーシャル系サイトにブランドチャンネルを置くようになっている。たとえばFacebookのFanサイトには,米国の有力な新聞や雑誌が相次いで特設ページを開設している。そのファンになれば,友人たちがどの記事に注目しているのか,どのような意見を持っているのかがわかる。

 上のグラフを見ていると,企業サイトやメディアサイトを目的地としてアクセスしていたユーザーが,向きを変えてFacebookにドッと訪れているように思えるのだが。Facebookは3億人を超えるアクティブユーザーをかかえ,今も勢いよく増加している。ある一日にログインするユーザー数が半数の1億5000万人であるからすごい。さらに驚くのはFacebookでの,ユーザー1人当たりの滞在時間がこの1年間で数倍近く急増していることだ(逆に新聞社サイトでは減っている)。

 こうした動きから,企業サイトやメディアサイトの必要性がなくなりつつあるのではとの声も。Web2.0時代はGoogleの天下であったが,来るWeb3.0時代はFacebookが主導権を握るのかな。それにひょっとしたらTwitterも割り込んでくるかも。


◇参考
visualizing the decline of the destination web, the rise of the social web(supercollider)
Will Facebook (all but) replace corporate websites?(O'Reilly Community)

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2009年11月02日

メディア分野の有望なスタートアップ企業とは

 伝統的な新聞社や雑誌社,それにテレビ局も,こぞって大不振である。景気後退のせいにしたいところだが,それだけではないから深刻だ。伝統的なメディア産業が構造不況業種に陥っているのである。

 ところが一方で,新興のメディア企業が台頭してきている。オンラインメディア分野のスタートアップ企業が力をつけてきている。そこで先日の記事で紹介した,Silicon Alley Insiderが発表したスタートアップ企業のランキングから,新興のメディア企業を取り上げてみた。各企業の今年の売上高を予測し,そこからバリュエーションをはじき出している。


StartupMediaCompany.jpg
(Silicon Alley Insiderの予測より)

 また,Mediaweekが毎年発表しているDigital Hot Listの2009年版が先週に決まった。今年も早くも,この手の発表が出てくる季節になってきたのか・・・。デジタル産業界で注目された,企業や製品/サービスが以下のように10件選ばれた。

The 2009 Digital Hot List
1.Facebook
2.Hulu
3.Twitter
4.Google
5.iPhone
6.Huffington Post
7.Bing
8.WSJ.com
9.Federated Media
10.AddictingGames

 ここでも,Hulu,Huffington Post,Federated Mediaのメディア企業がリストアップされていた。

 ブログパブリシャーのFederated MediaやGawker Mediaについては,このメディア・パブでも4年近く前から,何度か紹介してきた。だが,最近すっかりご無沙汰していたので,ちょとだけ調べてみた。

 Federated Media(FM)については,親分(CEO)のJohn Battelle はマスメディアにたびたび露出し活躍しているようだが,ブログなどを対象にした本業のアドネットワーク事業は不況の影響で少し勢いを欠いているようだ。広告の中心もディスプレーからタイアップにシフトしている。高いCPMのモデルも出始めているというが,今年の売上は4400万ドルと少しへこむようである。

 ブランド広告が弱いのが課題。その対策の一つとして,今春からTwitter社と組んで,エグゼクティブの Twitterのつぶやきをアグリゲートした ExecTweetsサービスを実施している。マイクロソフトがスポンサーになっている。企業のエグゼクティブのつぶやきをワンストップで追跡できる。100万人以上のフォロワーが追っているという。これで少しは,大手企業のトップもFMに注目し,ブランド広告の出稿も期待できるのかな。

ExecTweets.jpg


 Gawker Mediaも,今回の大不況で,昨年は苦戦を強いられたようだ。そこで,親分(発行人)のNick Dentonが大ナタを振った。14人のライターをレイオフし,収益性のよくないWonkette, Gridskipper , Idolatorの3ブログを売却した。さらにValleywagとDefamer の2ブログをGawkerに組み込むことにした。絞られた9ブログの総ページビューは,09年6月に3億3400万に達した。以下の表のように,この1年間で大幅にアクセスが増えたのだ。その結果,Gawker Mediaの09年上期の広告売上高が,前年同期比で35%も増えた。
 

*Gawker Mediaの9ブログの月間ページビュー
Gawker media0906.jpg
(Nieman Journalism Labの記事より)



◇参考
The SAI 50+: World's Most Valuable Internet Startups(Silicon Alley Insider)
Digital Hot List 2009(MediaWeek)
With ad revenue up 35%, Gawker Media returns to pageview bonuses and plans “checkbook journalism”(Nieman Journalism Lab)

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