特に深刻さを増しているのが広告市場の落ち込みである。米国の新聞や雑誌は,広告売上の依存度が高いだけにきつい。雑誌も新聞ほどでもないけれど,ここしばらく我慢しなければならないようである。
Blommbergの記事によると,米雑誌の総広告ページ数が2008年第2四半期は前年同期に比べ8.2%も減った。第1四半期が同6.4%だっただけに,さらに減速している。大きく減っている広告は,自動車,美容/化粧,家具,アパレル,金融,保険,不動産などである。逆に,食料,小売,リゾートなどの広告は踏ん張っているようである。
MPA(Magazine Publishers of America)が,2008年上期(1月-6月)における米雑誌の広告売上高と広告ページ数を発表している。その中で,個人的に関心のある雑誌を取り上げた。昨年の上期との増減も示している。



今年上半期は,総広告ページが前年同期比で7.4%減り,広告売上が同2.8%減となった。
広告ページ数の増減で目立ったものを紹介する。
ビジネス誌では,BusinessWeekが約15%減,Forbesが13%減であったが,Fortuneが1.3%増でEconomistが3.7%増であった。
ニュース誌では,Newsweekが22%減,Timeが21%減と冴えない。
Kids向け雑誌は,National GeographicもSports Illustratedも,いずれも不発であった
女性誌では,Cosmopolitanが15%減,Marie Claireが7%減と不調なのに対し,Vogueが微増,Elleが6%増と健闘している雑誌もあった。
また対照的であったのは,New Yorkerが20%減に対し,New York Magazineが9.2%増となり,明暗がくっきりと出た。
◇参考
・U.S. Magazine Ad Sales Drop 8.2%, Accelerating Industry Decline (Bloomberg.com)
・Magazine Publishers of America - Jan - June 2008 vs 2007(MPA)