
Times Topics が,NYT(New York Times)の強力な武器になってきたようだ。
NYTimes.comの中で,Times Topicsを次のように紹介している。
Each topic page collects all the news, reference and archival information, photos, graphics, audio and video files published on topics ranging from Madonna to Myanmar. This treasure trove is available without charge on articles going back to 1981Times Topicsは,過去記事から最新のニュース記事までをベースにした一種の辞典でもある。NYTの過去記事を収めたデジタルアーカイブの豊富なコンテンツや,最新のホットニュース記事が中心になっているが,ニュースアグリゲーターBlogRunnerも活用しているのが見逃せない。外部の重要なコンテンツにリンクを遠慮なく張っている(新聞社サイトでここまで外部リンクを多用しているのは珍しい)。また多くのトピックス記事では,NYTの記者が簡単な解説記事を書き添えている。トピックスも“from Madonna to Myanmar”と広範で,旬の話題だけではなくて国や主要都市,有力企業,有名人もトピックとして取り上げている。
Times Topicsのトピックス記事は,検索エンジン経由でかなりの客を呼び込んでいるようだ。SEOとしても大きな役割を果たしており,NYTimes.comの集客力をグンと高めているのは間違いない(「検索結果上位の常連,Wikipediaに次いでTimes Topicsも」で紹介)。またターゲット化した広告枠を作り出しており,マネタイジングの点でも評価できる。現在AdWords広告などの枠を用意している。
さらに,NYTimes.comのコンテンツを充実させるのにも,Times Topicsは貢献している。最近のNYTimes.comの記事では,主要キーワードに出くわすとTimes Topicsのトピックス記事へのリンクが張られており,記事に深さと広がりを注入している。

たとえば,同サイトが力を入れているヘルス分野のページではTimes Topicsが売り物になっている(Health Information - Causes, Symptoms, Diagnosis, Treatment )。昨日のWorld分野のニュース記事でも以下のように,キーワードにはTimes Topicsへのリンクが張られていた。

上の記事中の“Afghanistan”をクリックすると,以下のような記事に飛ぶ。


実際にアクセスして閲覧すればわかるのだが,このようなトピックス記事を作り上げられるのは,やはりNYTである。パーマリンクの過去記事を惜しげもなく無料で提供し,買収したニュースアグリゲーターBlogRunnerを自由に活用できるNYTでないと,このような芸当ができないのかも。
最後に,日本関係のトピック記事を二つ。JapanとToyota Motor Corporationをどうぞ。
◇参考
・検索結果上位の常連,Wikipediaに次いでTimes Topicsも(メディア・パブ)
・“Blogrunner”がNew York Timesサイトの裏玄関に(メディア・パブ)
・充実する米英新聞社サイトのアーカイブサービス,200年前の記事も検索対象に(メディア・パブ)
・オンラインに賭けるNew York Times, 次に仕掛ける大きな手は?(メディア・パブ)