有力な新聞社や雑誌社のサイトが相次いでトピックスページに参入するのは,興味深い動きである。巨大なシステムを武器に水平展開するGoogleやYahooに潰されないための生き残り策なのかもしれない。編集面で差異化可能な分野で垂直(バーティカル)展開し,質の高いユーザーを集客し,単価の高い広告枠を作り出していこうとしているのだ。
その垂直展開の一つがトピックスページ・サービスである。伝統的な有力マスメディア企業が仕掛けるトピックスページでは,オリジナルコンテンツが売りになる。幸いこの2〜3年で有力サイトでは,昔の記事も含む大規模デジタルアーカイブを構築し,コンテンツを再利用できる体制を整えてきた。またトピックスページを充実させるには,外部コンテンツ(ニュースサイトやブログ)の引用も必要だが,保守的なメディアサイトでもソーシャルメディア化に乗り出しており,対応できるようになってきた。ニュースアグリゲーターなどを利用して外部コンテンツと関連付けるシステムも用意し始めている。さらに多くの編集スタッフを抱えていることも強さとなるのだろう。
英BBCは,以下のようにBBC Topicsのベータ版を開始している。

ベータ版の段階で,トピック記事はまだ70種と少ない。トピック記事には,BBCのニュース記事やiPlayer(BBCの放送番組),ビデオニュース,TV/ラジオ放送の予定表,それにBBCの編集スタッフが集めたBBCコンテンツと外部コンテンツが含まれる。China,William Shakespeare,Anti-Social Behaviourなどのトピック記事を閲覧すれば,どのようなものを作ろうとしているかを垣間見ることができる。
ビジネス誌BusinessWeekのサイトは,Business Exchangeと称するトピックスページを9月にも立ち上げる。トピック記事は,関連するBusinessWeekコンテンツや外部サイトコンテンツへのリンク集になるようだ。ユーザーも投稿できるようにする。

BusinessWeekはForbes,Fortuneと並ぶ3大ビジネス誌であるが,BusinessWeek.comは他2誌のサイトから大きく遅れをとっているようだ。Nielsenのデータによると,Forbes.comの月間ユニークユーザー数が800万人に対し, BusinessWeek.comはわずか200万人となっている。9月から始める予定のBusiness Exchangeで巻き返したいようだが・・。
◇参考
・BBC Topics In Beta(BBC)
・BBC - Topics - FAQ(BBC)
・BBC offers aggregation service with Topics pages(Journalism.co.uk Editors’ Blog)
・NYTimesサイトの目玉になってきたトピックス記事
・Topic Pages to Be Hub of New BusinessWeek Site (NYTimes.com)
・BusinessWeek to launch Business Exchange(BusinessWeek)
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