
Kindle版電子新聞は既に,New York Times, Wall Street Journal, Le Mondeなどの22新聞から出ている。Amazon.com: Kindle Newspapersの一覧表では,FTとTimesを加えて24紙が紹介されている。そのうちの5紙を以下に。

欧米の主要新聞によるKindle版電子新聞サービスが始まったのだが,ビジネスとして開花していくのか,いまひとつ見えない。購読するにはまず,Kindleの所有者にならなければならい。また,新聞紙のコンテンツがそのまま全部が閲覧できるわけではないようだ。図や表は一部省かれている。新聞紙のような一覧性もない。
新聞社は有料サービスの新たなチャンネルとして期待しているようだが。有料であることもやはり障害となりそう。Webでは新聞コンテンツはほとんどが無料である。Webの新聞コンテンツはリンクによる関連性,映像/音のマルチメディア性,対話性などの特徴を備えているが,Kindle版コンテンツはそれらが欠如している。Kindle版コンテンツの更新は新聞紙に合わせているようで,Webコンテンツに比べると速報性の点でも劣る。
だが,アマゾンサイトのCustomer Reviews(The New York Times) を見ると,意外とKindle版新聞の評価が高い。現段階では,レビューの投稿者にマニアックなKindleファンが多そうなので,割り引いて見たほうがよいかもしれないが。新聞紙購読を止めて,Kindle版購読に切り替えた人もいる。早朝に新聞コンテンツを無線で自動配信させておいて,出勤途中にKindleで新聞を閲覧するというニーズはなくはないだろう。でも,BlackBerryやiPhoneなどのモバイル端末でも,新聞社が提供するニュースコンテンツを閲覧できる。おそらく無料で。前の記事で紹介したように,WSJもBlackBerry向けに無料ニュースサービスを始めた。
◇参考
・Amazon Kindle adds Financial Times and Times(Journalism.co.uk Editors’ Blog)
・Kindle 2.0 Vs. iPhone 2.0(Jay Yarow)
・Los Angeles Times now on Amazon's Kindle(Los Angeles Times)
・WSJ,スマートフォンBlackBerry向けに無料ニュースサービスを立ち上げ(メディア・パブ)
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