
技術系のニュースアグリゲーター “tech.newzia(テック・ニュージア)”がスタートして,約1ヶ月が過ぎた。ネットベンチャーのログリーが立ち上げたサービスである。国内では垂直型ニュースアグリゲーターがほとんど存在していなかっただけに,その展開が気になっていた。
tech.newziaのような垂直展開サービスは,米国では大きな流れになろうとしている。GoogleやYahooのような巨大ネット企業は,広範な分野を対象にした水平展開で市場をリードしてきている。広告事業もコンテンツ事業もそうだ。そこで,特定分野に特化した垂直展開で対抗していこうとする動きが以前からあったが,最近一段と活発になってきた。有力なメディアサイトなどが手がけている垂直型アドネットワークや垂直型コンテンツネットワークが,その例である。こうした垂直展開を支援するツールとして,分野特化型のニュースアグリゲーターや検索エンジンが注目されている。巡回するサイトは,商業メディアだけではなくて個人ブログなどのUGM(ユーザー作成メディア)も対象になる。
tech.newziaは技術分野に絞ったニュースアグリゲーターで,ニュースサイトやブログを定期的に巡回し、収集した記事を独自アルゴリズムに従って選別し,その記事の見出しなどを表示する。米国のTechmemeを参考にした構成になっている。
tech.newziaとTechmemeのページ画面を,それぞれ載せておく。


選別した技術ニュース記事と,そのニュースに言及しているサイトやブログを,次々と掲載していく。tech.newziaでは掲載期間を最大24時間とし,ホットな記事でページがたえず更新されるようにしている。重要な記事とか話題性がありそうな記事を素早く選別し,どのようなタイミングでどのような順番で掲載するかは,まさに独自アルゴリズムにかかっている。被リンク数とか,評判の高いサイトからの被リンク,はてブニュースなどのソーシャルブックマークでの登録数などで,記事を評価していく。これからユーザーの反応を見ながら試行錯誤を繰り返し,アルゴリズムを改良していくのだろう。
また,こうしたニュースアグリゲーターでは雑音的な記事が多いと使う気にはなれない。そこで,巡回サイトの選定が重要になる。tech.newziaでは巡回するサイトをホワイトリスト化しており,現在約1000サイトを選定しているという。また巡回先サイトには承認を得るようにしている。
巡回先の配信別に,過去30日間に取り上げられた記事の出現頻度順が,トップボードに掲載されている。ここでは9月3日現在のトップ30だけを載せておいた。

国内でこうした垂直型ニュースアグリゲーターが,商業的に成り立つかどうかは未知数である。米国に比べると,質の高いニュースサイトやブログが少ないし,カテゴリー別にRSS配信しているサイトも少く,またブログもあまりターゲット化されていない。このためこれまで,垂直型ニュースアグリゲーターがほとんど登場してこなかったのだろう。だが,BtoC市場はともかくとして,BtoB市場でのニーズは国内でも生まれてきそうだ。
ログリーは,tech.newziaだけではなくて,技術以外の分野の垂直型ニュースアグリゲーターにも手を伸ばしていきたいという。
◇参考
・テック系ニュースアグリゲートサイト『tech.newzia』(テック・ニュージア)をオープン(プレスリリース)
・技術分野のニュース市場,「ベストエフォート」型ミドルメディアが台頭(メディア・パブ)
・人気ニュースサイトTechmemeの更新プロセスを早送りで見る(メディア・パブ)
タグ:ニュース