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2008年09月11日

中国でも「SNS+ゲーム」が満開する兆し

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FriendsForSale.jpg


「SNS+ゲーム」が中国のSNS市場の牽引車になりそうだ。

  China Web2.0 Reviewの記事によると,「SNS+ゲーム」が次の大きな波となるという。その前触れとなる出来事が8月末に起こった。中国の大手ポータルのSinaとNeteaseが揃って,彼らのblog/spaceサービスに“friends for sale”機能を加えたのだ。

 ゲームの世界に疎い者にとって,それがどうしたというニュースなのだが。でもゲームマニアにとっては,“Friends for Sale”は話題のSNSゲーム。Serious Businessが開発したFacebook向けアプリで,月間アクティブユーザー数が435万人に達する人気ゲームである。

FriendsForSaleFacebook.jpg

  Friends for Saleの説明文で"Buy and sell your friends as pets"とあるように,友人をベットの如く売買するゲームとか。ということは自分も人身売買されるということか。転売されながら,その人の市場価値が高まっていくようだが。バーチャルマネーを使って,より価値を高めるための仕掛けを入手するみたい。このゲームについては,Techcrunch(日本語版)で紹介されているので,詳しくはそちらでどうぞ。

 そして,このFriends for Saleクローンを最初に中国に持ち込んだのがKaixin001.comであった。China Web2.0 Reviewによると,Kaixin001は元Sina社員が4月末に立ち上げたばかりのFacebook風SNSであるが,Facebook向けで人気の高い“Friends for Sale”や“Parking War”と極似したアプリケーションを提供したところ,バカ受けしたようだ。

 今年に入って中国SNS市場が一段と活発になってきた。まず,オープンプラットフォームを看板にしたFacebook風SNSが次々と生まれてきている。そして,そのプラットフォーム上でFriends for Saleなどのゲームアプリを提供するのがブームになろうとしているのだ。

 ここで,大手SNSである51.comとXiaonei.comの動きを見ておこう。

51comChinaSNS.jpg

 51.comは最近オープンプラットフォームを立ち上げ,そのプラットフォーム上でFriends for Saleと似たアプリケーションを提供している。またプラットフォーム向けアプリケーションデベロッパーにGoogle AdSenseを組み入れることを認めている。最近では,Facebookと同じようなプロフィールページも提供することになった。

 さらに注目すべきは,オンラインゲーム会社Giant Interactive が5100万ドルを出資することになったことだ(51.com株の25%)。51.comプラットフォーム向けに多くのWebゲームが提供されていくのだろう。JLM Pacific Epoch によると,51.comの登録者数は1億人を超え,アクティブユーザー数が3500万人,毎日の新規登録者数が10万人となっている。

XiaoneiChinaSNS.jpg

 もう一方のXiaonei.comは中国版Facebookとたとえられており,レイアウトや色調,ロゴまでがオリジナルFacebookと似通っている。校内网(網)と言うだけあって,Facebookと同じように学生ユーザーが多い。会員数は2200万人。

 XiaoneiはOak Pacific Interactive(OPI)の傘下にあるが,そのOPIにソフトバンクが4億ドル出資し筆頭株主になっている。一方でOPIはゲーム開発会社PeaGameを買収した。Xiaoneiはオープンプラットフォームを提供するために,GoogleのOpenSocialに加入している。

 このほか,オープンプラットフォームのSNS市場に新規参入するベンチャーも増えてきている。その中での注目株がYiqi.comである。中国Web界で影響力を持つYahoo Chinaの前CEOが創立しているからだ。OpenSocialを採用している。さらにSinaやQQも自前のオープンプラットフォームを計画しているという。

 MySpaceとFacebookも中国に上陸している。MySpace.cnは年内にもオンラインゲーム事業を立ち上げる予定という。 

 中国の関係者は,SNSのトラフィックに見合うマネタイジングを広告だけで実現するのは難しいが,オンラインゲームの課金を絡ませればうまくいきそうだと見ている。

 中国のインターネット人口は今や世界一。2010年までに3億人を突破するという。CNNIC(China Internet Network Information Center) の調査では,2008年6月現在の中国のオンラインゲーマ人口は1億4700万人に達している。若者のオンラインゲーム中毒は社会問題化しているが,中国の「SNS+ゲーム」市場は盛り上がりそう。


中国のインターネット人口(単位:億人)
CNNICNetPopulation.jpg



◇参考
・Oak Pacific SNS Site Reports Growing Numbers (JLM Pacific Epoch)
・第22次中国互联网络发展状况统计报告
・中国SNS市場に見る、「C2C」型ビジネスモデル脱却の葛藤(マイコミジャーナル)
・China SNS Roundup: Sina, Netease, 51.com, Yiqi.com(China Web2.0 Review)
・CNNIC: Over 100 Million Bloggers in China(China Web2.0 Review)
・Is SNS+Game the Next Big Thing?(China Web2.0 Review)
・Facebook Targets Chinese Market(ReadWriteWeb)
・Leading Chinese social network 51.com raising $50 million round, to launch platform for third-party developers(VentureBeat)
・Xiaonei, the Facebook of China, raises $430M ― better funded than Facebook(VentureBeat)
・Chinese Online Game Players Total 147 Million(RedlineChina)
タグ:SNS ゲーム

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posted by 田中善一郎 at 09:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
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