PCMagは1982年に創刊したパソコン誌。まさにPCの歴史を作り,80年代から90年代にかけてのパソコン誌の隆盛期に頂点に立っていた名門誌である。Wikipediaによると,1982年に月刊誌として創刊し,800ページの号が登場するぐらいバカ受けした。IBM PCが出現したころで,多くの人が初めてパソコンに飛びついた時代である。1983年に隔週誌となったが,号あたりのページ数が平均400ページ,時には600ページの重量級の号も珍しくなかった。
それが,90年代後半から失速し,最近では号あたり300ページから200ページと,軽量級雑誌になってしまっていた。PCやPC周辺機器,アプリの評価が売り物であったが,そうした情報は今やインターネット上でタダで得られる。それに編集側スタッフの評価よりも,大多数のユーザーからの評価(集合知)のほうが参考になる。ガジェットやパソコンの購入者が,PC_Magazineなどのパソコン誌よりも,EngadgetやGizmodなどのブログや製品比較サイトに飛びつくのは仕方がない。
PC_Magazineの休刊で,パソコン誌の時代も事実上終焉を迎えることになるのだろう。サービスを継続するオンラインサイトPCmag.comにアクセスしてみた。すると,雑誌購読申込ページがまだ残っているではないか。その中で、“PC Mag is America’s #1 technology magazine,”と謳っている。かつてはそうだった。今もナンバーワンだと言いたい気持ちは分かるが・・・・。わびしい。
そして先ほど,PC Mag編集長のLance Ulanoffが雑誌読者に向けたオープンレター“PC Magazine Goes 100% Digital”を公開した。January 2009 issue (Volume 28, Issue 1)で27年間のプリントメディアの幕を閉じ,来年2月からは PC Magazineが“ 100-percent digital publication”になると明言した。
すでに,PC Magazineのオンラインシフトはかなり進んでいる。 PC Mag brandの 売上も現在は70%をデジタル事業に依存している。オンライン売上も2001年以降,年間42%の成長率で伸びているという。ネットワーク関係では利益を出しているとのことだ。PC Mag brandの総売上は明らかになっていないが,paidContent.orgは“tens and tens of millions” of dollarsと予測している。PCMag部門は140人のスタッフを抱えているが,雑誌休刊で人員削減が避けられないだろう。
◇参考
・Ziff Davis To Close Print PCMag, Focus On Online; Still Looking For Options For Gaming Division(paidContent.org)
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