斜陽産業化している米新聞業界ではここ数年,レイオフが日常茶飯事となっている。2002年5月から2008年7月までの約6年間に,何と6万3900人が職を失った(AdAge DataCenterのレポートより)。
今年に入ってもサブプライムローン問題を端に発した景気悪化により,深刻なレイオフラッシュが続いている。以下は,以前紹介したレイオフマップである。マップ上のバルーンをクリックすると,吹き出しで新聞社名やレイオフ人数などが表示される。
●2007年6月から12月までの間で,レイオフされた新聞社従業員数

●2008年1月から11月22日までの間で,レイオフされた新聞社従業員数

2007年6月から12月までの間に2185人以上が新聞社の職を追われた。今年に入ってこれまで更に1万3748人が職を失うことになっている。例えばAssociated Pressで400人(全従業員の10%),Gannettで3000人(全従業員の10%)がレイオフされる。
新聞社から追い出された人は,どこに向かうのだろうか。今後ともメディア業界で頑張りたい人は,とりあえず,ブロガーに転身して自分を売り込むのも一つの手である。そこでブログ開発/サービス会社のSix Apartは,解雇されたジャーナリストやブロガーを対象にした救済プログラムTypePad for Journalists(これまでのTypePad Journalist Bailout Program)を用意している。
プログラムでは,
1. 職を失ったジャーナリストにブログを始めてもらうためにブログサービスTypePadのアカウントを無料で提供し,
2.広告収入を得るためのサービスSix Apart Media を利用してもらい,
3.そのブログのプロモーションをblogs.comで行う。
ブログを始めたからと言って,生計がたてられるほどの広告収入をすぐに得られるわけではないが,次の仕事の足がかりになるかもしれない。
ところでSix Apart自身も,全従業員の8%に相当する16人をレイオフする。で,その16人もこのプログラムを利用するのだろうか?
◇参考
・全米で新聞社レイオフの嵐,グーグルマップが深刻さを浮き彫りに(メディア・パブ)
・減り続けるメディア人口, 金融危機で人員削減が加速化しそう(メディア・パブ)
・For Laid-Off Journalists, Free Blog Accounts (NYTimes.com)
・TypePad for Journalists(TypePad)
・Six Apart Lays Off 8 Percent Of Staff; Management Takes Pay Cut(paidContent.org)
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