
予告通りに,ニューヨークタイムズのサイト(NYTimes.com)がウィジェット(Widget)サービスを開始した。期待を裏切らない出来栄えだ。NYTimes.comにアクセスしなくても,NYTimesの好みのトピック記事を,好みのオンラインページでチェックできる。
他の米国のウィジェットと同様,ブログだけではなくて,SNS(FacebookやMyspaceなど),パーソナライズドページ(iGoogleやNetvibesなど),個人ホームページなどに自由に貼り付けられる。
NYTimes.comのカテゴリー別ニュース,ブログ,映画レビュー,それに1万を超えるトピックス別記事について,それぞれの更新情報がウィジェット(フィード)の形で配信されるサービスである。実際のウィジェットを作る過程を以下のスクリーンショットで見ていこう。
配信するフィードは,“Browse”あるいは“Serach 10,000+ NYTimes”から選ぶ。,“Browse”では以下に示すように20分野のニュースカテゴリの中から選ぶ。“Serach 10,000+ NYTimes”ではキーワードで検索して指定する。下の例では,“Browse”でBusiness分野を選び,“show”で10 HeadlinesとSummariesを指定した。その結果,表示されるウィジェット画面のサンプルが右側に示される。


複数のフィードをタブ切り替えで,一つのウィジェットに組み入れて配信もできる。ここでは,“Browse”でBusiness分野とMedia&Advertising分野を選び,そして“Serach 10,000+ NYTimes”でJapan Topic(Headlinesのみ)を選んでみた。そして,Widget作成を指示すると以下がポップアップされた。iGoogleなどはワンクリックで貼り付けられるが,このメディア・パブの記事に貼り付けるためにはEmbed codeをコピー&ペーストすることにした。

以下が,その貼り付けたウィジェットである。このウィジェットを気に入った人は,+ADD TO MY SITEをクリックすれば埋め込みコードが得られる。一般のウィジェットと同様、伝播機能が備わっている。
かなりニッチなトピックのニュースでも,いつも自分のブログやSNS(プロフィールページ)などでチェックできるようになる。NYTimesのトピック記事は質が高いだけに,利用価値がありそう。ただし個人だけの情報収集のためにRSSリーダーを使っている人には,このようなウィジェットは不要かもしれないが。
ともかくNYTimes.comはこの2年あまりの間に,MyTimes,TimesMachine,TimesTopics,TimesExtra,それにTimesWidgetsなどと,次々と新サービスを提供し続けてきた。その結果,NYTimes.comは紙媒体(新聞)を遥かに超える魅力あるニュースメディアに育ってきた。特に最近はブログの充実ぶりが驚くばかりである。ピュリツァー賞受賞記者でもブロガーに転身するくらいである。はっきり言って,無料のNYTimes.comのほうが有料のNYT紙より,優れているのではなかろうか。でも,オンラインシフトを加速化させたタイミングが,不運にも大不況と重なり,NYTにとって大きな誤算になってきた。
さっき,Silicon Alley Insiderを見ていると,NYT社にはこれから次のような借金地獄が待っているとか。
2009: $214 million of cash needed
2010: $546 million of cash needed
2011: $500 million of cash needed
NYTのためならばと,資産家や慈善家が現われてくれないかな・・・。
◇参考
・NYTimes.com Announces Times Widgets in Beta(NYT,プレスリリース)
・NYTimesサイトの目玉になってきたトピックス記事(メディア・パブ)
・NYTサイトの窓が大きく開かれた(メディア・パブ)
・New York Times (NYT): Here's How Much Cash We Need To Survive(Silicon Alley Insider)
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