(News and Information as Digital Media Come of Age,By Persephone Miel and Robert Faris)
縦軸で営利組織(for-profit)から非営利組織(non-profit)を,横軸で職業スタッフ(paid-staff)から非職業協力者(volunteer contoributors)までを表している。実際のメディアサイトを配置すると,上のようになる。
左端には,プロのスタッフが運用している伝統的なマスメディアが並ぶ。代表的な新聞社サイトや雑誌社サイトは左上に存在する。左下には非営利のNPRとか公共メディアのBBCが置かれる。
右端には,いわゆるUGC(ユーザー生成コンテンツ)ベースのソーシャルメディアサイトが並ぶ。右上は営利組織のサイトで,YouTubeはGoogleにFlickrはYahooに売却され,創業者は大金持ちになった。Diggは頻繁に売却話が持ち上がるが,まだ実現していない。WikipediaやSlashdotは,売却やIPOに動いたりしないだろう。
注目したいのは,中央に並ぶサイト群である。プロとアマチュアの融合サイトとも言えそう。今後のニュースメディアの行方を占う意味でも興味深い。選挙年の今年,もっとも暴れたのがHuffington Post。専任のブロガーの他に,多数の外部ボランティアブロガーによるブログ記事を核に,ニュースアグリゲーションも実施しているサイトである。TPMは読者から提供されたリソースを売り物している(参考)。Daily Kosは有名なリベラル系ブログ。また非営利組織によるローカルニュースサイトも次々と生まれている。経営的に厳しくなっている地方紙サイトの受け皿になるかも。ChicagoのChi-Town Daily Newsや MinnesotaのMinnPost,Saint Louis のSaint Louis Beaconなどが,代表的な非営利のローカルニュースサイトである。Global Voicesはマスメディアが無視しているトピックスを取り上げる非営利組織のメディアプロジェクトである。非営利サイトはいずれも読者からの寄付金に大いに頼っている。
左端の伝統的なマスメディアサイトは,これまでのように供給者主導のニュース提供だけだと,読者離れや広告主離れを食い止められない。経営破たん寸前の新聞社サイトも増えてきた。そこで,ソーシャルメディア化を急いでいる。
米国の新聞社上位100社がどのようなソーシャルメディア化絡みの機能を提供しているかを,The Bivings Report (TBR)が調べた。その結果の一部を以下に掲げる。
上のようなRSS配信やブログ記事掲載,ソーシャルブックマーキングなどの機能を装備するのは大切だが,やはりコンテンツそのものがユーザーのニーズに応えものでないと相手にされない。それと,ソーシャル化には,外部サイトとの連携を含めた開放化も欠かせない。
◇参考
・News and Information as Digital Media Come of Age(Berkman Center at Harvard University)
・Blogger, Sans Pajamas, Rakes Muck and a Prize(NYTimes.com)
・The Use of the Internet by America’s Largest Newspapers (2008 Edition)(theBivingsreport)
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