一部マニアックユーザーにバカ受けしても、一般ユーザーに無視されているサービスって多い。Evriもその類かもしれない。これは、セマンティックな関連性からコンテンツを探すエンジンで、"search less. understand more."がうたい文句。つまり検索エンジンの世話にならなくても、欲しい情報を探せると主張している。
このEvriをワシントンポスト紙のサイト(wasingtonpost.com)が2月中旬から採用し、実験的に試みていたので追ってみた。その前に、Enviがどんなものかを簡単に見ておく。web上やニュース記事における、人や場所や事柄の関連性を手がかりに、欲しい情報を見つけているサービスである。実例で見た方がわかりやすい。たとえばEnviでBarack Obama関連のコンテンツを探してみる。

Obamaと関連の深い語彙が、視覚的なグラフで表示される。そのグラフから、芋づる式に関連コンテンツ(ニュース記事など)が見つかる。またカテゴリー別やアクティビティー別に関連コンテンツを探せるようにもなっている。実際にいろいろ試してみれば、どの程度のレベルのエンジンかが把握できるだろう。身近なところで、"Sony"で試してみては。
以下のガイドビデオも参考になる。
Evri.com Profile Page Tour from Evri on Vimeo.
このEvriサービスの一部が、washingtonpost.comで使われ始めている。いくつかのニュース記事で試している。これも実例で紹介する。
昨日、米保険大手のAIGが約300億ドル(2兆9000億円)の公的支援を受けることになったニュース記事“AIG Said To Receive Access to More Cash”の例を以下に示す。
最初は見出し部分である。
上の見出し記事の本文に合わせて、以下の囲み記事が付いてくる。

いずれも、AIGへの公的支援ニュースに関連する情報が、いろんな角度から探せるようになっている。たとえば、Evriがセマンティックな関連情報を,Agrigate KnowledgeがこのAIGニュースを読んだ人がどのような他のニュースにアクセスしたかを、SphereがこのAIGニュースを取り扱ったブログ記事を、それぞれ示してくれる。
関連情報には、washingtonpost.comの記事だけではなくて、外部サイトのコンテンツ(ブログやニュースサイトなど)も含まれている。関連情報が満載されているが、どれくらいの人がこれら関連情報を利用しているのだろうか。
◇参考
・Paul Allen's Evri lands first contract, with Washington Post(Brier Dudley's Blog)
追記:
国内にもEvriに近いサービスがある。ネット上の人間関係に特化した「スパイシー」で、ネット上の人と人の関係をグラフ表示している。個人的にはノイズが多すぎて実用していないが。
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