Amazonが出すアプリケーションソフト“Kindle for iPhone and iPod touch”はApple's App Storeから無料でダウンロードできる。同ソフトにより,iPhoneやiPod touchでAppleのマルチタッチインタフェースによりKindle向けの書籍(現在は24万種以上)を読むことができるようになる。KindleやWebで購入した電子書籍を、iPhoneやiPod touchに無線で送ることになる。またAmazonの whispersyncを適用することにより、KindleとiPhoneの間で,読みかけている各書籍のページ同期が取れるようになった。
Amazonの電子書籍はより多く売れるようになるだろうが、カニバリズムでKindleの販売に悪影響を及ぼさないのだろうか。iPhoneユーザーがKindleを買わなくなるのではとの心配である。でも、Appleはカニバリズムが起こらないと楽観視している。ケータイ(iPhone)で電子書籍を読むことがあっても、それは短時間のはずだと。通常は、優れたスクリーンや長時間バッテリーのKindleで電子書籍を読むはずと見ているのだ。
でも、ほんとにそう言い切れるのだろうか。最近、O'Reilly Researchが明らかにしたグラフが面白い。最初のグラフは、米国のiTunes App Storeにおけるカテゴリー別アプリケーション数のランキングである。今週(3月1日まで)と12週間前の本数を示しているが、12週間で電子書籍が4倍近く急増し,ゲーム、エンターテインメント、ユーティリティーに次いで一気に4位にアップしている。つまり,iPhoneが電子書籍リーダーとして期待されているのだ。

次のグラフは、ゲーム、電子書籍、その他のアプリケーションの価格帯を示している。電子書籍は99セント以下の安価なものが多い。ただし、無料の書籍が少なく、またKindle向け書籍で見かける9.99ドルクラスも多い。

ともかくユーザーにとっては、選択肢が増えて有難い。
◇参考
・Kindle for iPhone and iPod touch Now Available For Free From Apple's App Store(ニュースリリース)
・Amazon to Sell E-Books for Apple Devices(NYTimes.com)
・The Fastest-Growing Category in the iTunes App Store: Books(O'Reilly radar)
・E-books said to be the fastest-growing category in the iTunes App Store in the last 12 weeks(TeleRead: Bring the E-Books Home)
○でも、Amazonはカニバリズムが起こらないと楽観視している。
実際試しましたが、iPhone for Kindleは通常のKindleで買った本と同期をとるので、iPhone版だけ買うというようなカニバリはないです。