キャンディー(砂糖菓子)メーカーのSkittlesが仕掛けたキャンペーンである。まず驚かされたのは、Skittlesのホームページ(Skittles.com),つまり企業サイトのトップページにアクセスすると、以下のようなページが現れたことである。
見覚えのある背景だ。Wikipedia である。SkittersのWikipediaページそのものなのに、ドメイン名はSkittersである。ただし,そのWikipediaページ上に二つの枠がポップアップされている。とりあえず中央の枠で登録をしておく。次に目次となる左枠に注目する。HOME、PRODUCTS,MEDIA,CHATTER,FRIENDS,CONTACTのタブが用意されている。その中で,HOME,MEDIA,CHATTER,FRIENDSの飛び先が、外部のソーシャルメディアとなる。それなのに、それぞれの飛び先のページがskittles.com内となっている。
それぞれの飛び先ページのスクリーンショットと,背景のソーシャルメディアのURLを以下にまとめておく。
●HOMEページ(http://skittles.com/default.htm):Wikipedia を利用
Wikipedia:Skittles (http://en.wikipedia.org/wiki/Skittles_(confectionery)
●MEDIA:Videos(http://skittles.com/videos.htm):YouTubeを利用
YouTubeのSKITTLESbrandチャンネル
●MEDIA:Pics(http://skittles.com/pics.htm):Flickrを利用
Flickr:skittlesを検索( http://www.flickr.com/search/?q=skittles)
●CHATTER(http://skittles.com/chatter.htm):Twitterを利用
Twitter:skittlesを検索http://search.twitter.com/search?q=skittles)
●FRIENDS(http://skittles.com/friends.htm):Facebookを利用
これまでの企業のキャンペーンは、自社の企業サイトを足場に自前でコンテンツを作り展開することが多かったはず。でも,今回のSkittlesのキャンペーンは、代表的な外部のソーシャルメディアサイト上で実施している。なによりも凄いのは、消費者が作り出すコンテンツをベースにキャンペーンを行っていることである。また、自社ドメイン内で行えているのが興味深い。
Skittlesはこれまで "Taste the Rainbow." をキャッチフレーズにしてきた。そして今回のキャンペーンでは、 3月2日(月)にTwitterで消費者が"Chat the Rainbow."するように働きかけた。
効果は抜群であった。2日から直ちにTwitterでSkittlesという単語が爆発的に飛び交ったのだ。以下はTwistの測定データである。
また、BlogPulseが示すように、ブログでも際立ったバズワードとして頻繁に取る上げられた。
Twitterの口コミでSkittlesのキャンペーンが一気に広がると、すぐにメインストリームメディアまでもこぞってニュース記事で紹介することになり、ますますSkittles人気が盛り上がっていったようだ。
ただ、これまでも日常的にSkittlesファンが、WikipediaやYouTube、Flickr、FacebookにCGC(コンシューマー生成コンテンツ)を蓄積しており、Twitterで仕掛けてアッと言う間に広がったのか。このキャンペーンのやり方については、もう少し分析する必要がありそう。
◇参考
・Skittles Cozies Up to Social Media(WSJ.com)
・Are Social Sites Becoming More Important than Corporate Sites?(Social Media Today)