2008年の新聞社媒体(新聞紙+オンライン)の総広告売上が、前年比16.6%減の378億ドルに落ち込んだ。そのうちオンライン広告は同1.8%減の31億ドルと、初めてのマイナス成長に沈んだ。
(ソース:NAA)
2008年の四半期別の推移を追っていくと、四半期ごとに広告売上の減り方が大きくなっているのに気づく。Print(新聞紙)広告売上がドンドン減っていくのは仕方がないとしても、これからの頼みの綱のオンライン広告売上までが大きく減り始めていることは気掛かりだ。2008年の第2四半期に前年同期比で2.4%減とマイナスに転じて以来、第3四半期が3%減、第4四半期が8.1%減と転げ落ちていったのだ。米新聞業界は広告収入に大きく依存しているだけに、2008年は史上最悪の年に陥ったと言えそう。
(ソース:NAA)
次に、カテゴリー別の広告売上と、併せてオンライン広告売上の増減率の推移を、過去5年間に渡って四半期別にプロットしてみた。ここで見逃せないことは、新聞広告売上が下降線を辿りはじめたのが景気減速が始まった2007年第4四半期以降ではないことである。つまり、それ以前から新聞紙の読者離れと広告主離れが景気とは関係なしに進んでおり、新聞産業は構造的な不況業種に陥っているのである。それだけに、景気回復が新聞産業復活に結びつきそうもない。新聞救済策の議論が盛んになってきたが、まだ先は見えないのが現状である。
(ソース:NAA)
◇参考
・Newspaper Ad Revs Dropped 16.6 Percent In ‘08; Online Slipped 1.8 Percent(PaidContent.org )
タグ:新聞