米国の雑誌は新聞と同じく、広告売上に大きく依存しているため、休刊ラッシュも仕方がない。景気減速により広告が急減しているためだ。例えばCondé Nastが一昨年満を持して創刊したビジネス誌“Portfolio magazine”も、4月号は広告が21ページしかない総計106ページの薄っぺらい雑誌となっている。
eMarketerがコンシューマー向け米雑誌の広告費を次のように予測している。2007年から2011年まで、長期的なマイナス成長が続くと見ているのだ。今年2009年は109億ドルと、前年比 16.2%減の厳しい予測が出ている。

(ソース:eMarketer)
米国の雑誌社も、オンライン事業に力を入れ始めている。新しい収益源としてオンライン広告収入に期待しているのだが、プリント(雑誌)広告収入と比べるとまだまだ少ない。以下は、米主要雑誌社のオンライン広告売上ランキングである。Advertising Ageのデータをベースに、eMarketerが作成したグラフである。

(ソース:Advertising Age)
トップのTimes社のオンライン広告売上は、2008年が2億4500万ドルであった。これは、同社の全広告売上の10%である。オンライン広告売上が全広告売上の10%以上占めている出版社は、Timesを除くとMartha Stewart Living Omnimediaだけである。オンライン事業に牽引役を期待するのは難しそう。
プリントメディアの新聞社や雑誌社の前途は厳しい。
◇参考
・Magazines Run Online(eMarketer)