
上は、4月4日のボストン・グローブ(Boston Globe)紙のフロントページである。トップ記事で、同紙が休刊の危機に瀕していることを報じている。
もし2000万ドルの経費削減の承認が労働組合から得られなければ、親会社のNYT(New York Times)社がBoston Globeを30日以内にも休刊すると通告したのである。この記事は、3日付けのオンライン版に掲載されていた。それにしても、このような記事が新聞のトップ記事に出るとは・・・。
同紙は1872年創刊で、ボストン最大の発行部数を誇る老舗紙である。今は、NYT社の傘下にあるが、同社自身が経営的に厳しい資金繰り状況に追い詰められている。同社の旗艦紙であるNYT紙を救うためにも、最近赤字を垂れ流しているBoston Globeをもう放っておけなくなっていた。思い切った経費削減を実施しなければ、2009年にGlobeが8500万ドルの赤字を計上すると見積もっている。すでに先月末に、NYT社は一部従業員のレイオフと年内の給与カットを明らかにしていたが、ついに休刊をチラつけさせてまで、待ったなしの経費削減を迫っているのだ。
投資家向けサイトの24/7 Wall St.が最近、廃刊するかあるいはデジタル版だけの発行に移行するであろう主要新聞10紙をリストアップしていたが、その中の一つがBoston Globeであった。
◇参考
・Times Co. threatens to shut Globe; seeks $20m in cuts from unions(boston.com)
・Globe completes newsroom cuts(boston.com)
・Times Co. Said to Consider Closing Boston Globe(NYTimes.com)
・Ten Major Newspapers That Will Fold Or Go Digital, An Update(24/7 Wall St.)