ところが勝ち残ったWeb2.0サービス組の中には、2年ほど前の全盛期を上回る爆発的な成長を今年に入っても続けている。なぜか?
1昨年ほど前までは、Web2.0サービスに参加していたのは、ギークとかアーリーアダプターと呼ばれる、少々マニアックな先進ユーザーが中心であった。その後、見るだけのROMユーザーも加わり、Web2.0サービス市場のすそ野が広がっていった。だが昨年あたりからネット先進国においては、Web2.0サービスも新鮮味がなくなり、また安定した広告収益モデルが確立できないこともあって、停滞感が漂ってきていた。
そうした中で、やたらに元気なのがFacebookとTwitterである。以下のグラフでも最近の勢いが読み取れる。Facebookはこのほど、会員数が世界で2億人を突破したと明らかにしたばかり。Twitterのユニークビジター数も年間で10倍ぐらいの勢いで増えており、Compete社の調査によると3月のユニークビジター数が1000万人を超えた。


FacebookやTwitterが勢いを加速化させている要因としては、海外市場の進出と、中高年層ユーザーの急増があるようだ。
Facebookの会員2億人の7割が、米国外のユーザーが占めるようになってきた。Twitterも、上のグラフからも分かるように、海外ユーザーの利用が際立って伸びている。
それに興味深いのは、飽和しつつあると思われていた米国内での利用も、実は今も急成長していることである。それは、中高年層ユーザーがドッと飛びつき始めたからだ。10日ほど前の記事で紹介したように、35歳以上の米Facebookユーザー数が、最近の60日間だけで何と一気に倍増したというから驚きである。Facebookの新規登録会員の中心は、米国内では明らかに35歳以上に移ってきているのである。
また、comScoreが発表したTwitterユーザーのデモグラフィックデータ(人口統計データ)からも明らかなように、35歳以上の中高年層が24歳以下の若年層よりもTwitterにはまっているようである。

どうして米国では、若者よりも中高年層がFacebookやTwitterに飛びつくようになってきているのだろうか。ひとつに一部の若者たちの間で、Facebook疲れやTwitter疲れが目立ち始めているという。若者は、もっとリアルの世界で飛翔すべきだろうから、傾向としては悪くない。それに対して、年を取るにともないリアル世界での行動範囲が狭くなりがちの中高年層が、FacebookやTwitterのネット世界になびくのも、わからないでもないが・・・。
◇参考
・米Facebook、新規会員の中心は35歳以上へ(メディア・パブ)
・Facebook Confirms 200 Million Active User Mark (Insider Facebook)
・Twitter Traffic Explodes...And Not Being Driven by the Usual Suspects!(comScore)
・Twitter traffic surging(USAToday)
・Twitter older than it looks(Reuters)
・Are you a twit if you don't want to Twitter?(AP)