マッシュアップ・アプリケーションのポータルサイトProgrammableWebにも、新聞社サイトの公開APIを使ったマッシュアップ・アプリがまとめて紹介されている。その幾つかを取り上げてみた。
オープンプラットフォーム化で先行する英Guardianのサイト(Guardian.co.uk)と米NYTのサイト(nytimes.com)の例を見ていこう。最初は、Guardian APIの利用例から。
Guardian Trendsは、Guardian APIとGoogle Visualization APIを用いたマッシュアップ・アプリである。ロンドンのソフトウエア技術者Stephen Elliottが開発した。特定のキーワードに関するGuardian記事本数を月別にグラフ表示するアプリで、月毎に該当記事の見出しも表示できる。その記事見出しをクリックすると、Guardianサイトに飛び記事全文が閲覧できる。
このGuardian Trendsを実際に使ってみた。2008年1月から2009年3月までの範囲で、Facebookに関する記事本数とTwitterに関する記事本数をグラフ表示させてみた。ニュース登場回数で、Twitterがこの3月にFacebookを追い抜いている。
続いて、Japan、China、Indiaをキーワードとした記事本数を、2005年から現在までトレースしてみた。2006年6月を除いて、日本に関する月間記事本数はいつも、中国やインドに関するニュース記事本数よりも少ない。

上のGuardian Trendsページには、Googleから配信された広告が掲載されており、また同ページの記事見出しからGuardian.co.ukへのリンクも張られている。つまり、APIでリソースを外部に提供しているGuardianやGoogleにとっても、収益をもたらすサービスとなっている。
次は、New York Timesの公開APIを用いたマッシュアップ・アプリの例を。NYTは多種のAPIを公開している。その中の一つのNYT Article Search APIを利用したアプリが、Suburbifiedである。NYT記事と地図情報とをマッシュアップしたアプリ。地図情報には、 OpenStreetMapを利用した。過去10年間のNYTニュース記事を地図上にマッピングしている。
別のアプリReading Radarは、NYT Best Sellers APIとAmazon eCommerce APIをマッシュアップしている。誰もが思いつくアプリだが、便利である。
新聞社サイトのようなメディアサイトは、賞味期間の短いフロー情報だけではなくて、デジタルアーカイブ化が進むストック情報を用いた収益ビジネスも開拓していく必要がある。サイトをオープンプラットフォーム化すれば、埋蔵しがちなストック情報を活かす収益ビジネスを第三者が編み出してくれるかも。
◇参考
・Best New Mashups: Guardian, Pandora, and Android(ProgrammableWeb)
・新聞社サイトもオープンプラットフォーム時代へ、英Guardianが挑戦(メディア・パブ)
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