携帯電話事業者T-Mobileが仕掛けたバイラルビデオがヒットを飛ばしている。最初は,英Liverpool Street Stationの駅構内で1月15日に繰り広げられたダンス大会(このビデオはこちらかこちらで)。公式のビデオだけでも,YouTubeで1200万回近くも再生されている。総計で1400万回近くが視聴され,何千ものコメントが寄せられている。
その次の第2弾目のバイラルビデオが,同じロンドンのTrafalgar Squareで4月30日に行われたカラオケ合唱大会。1万3500人の群集が大画面スクリーンに映し出された歌詞を見ながら,BeatlesのHey JudeやBritney SpearsのBaby One More Timeを合唱する。その時のビデオの一つを,YouTubeのウィジェットから貼り付けておく。
駅構内でのダンスも広場での合唱も,群集が加わり非常な盛り上がりを見せている。群衆の実に楽しそうな表情や振舞が印象的である。T-Mobileのキャンペーンのキャッチコピーである“Life's for sharing”に合わせて,多くの大衆を巻き込ようにうまく演出している。これらを仕掛けたのが,大手広告エージェントのSaatchi & Saatchi である。
最初の駅構内でのビデオでは,最初に踊り始めた人たちは,オーディションで1万人から選ばれた400人であったが,たまたま出くわした通勤帰りの人たちをうまく誘い込み,群集が参加した大ダンス大会に仕上げたのだ。ビデオカメラ10台は目立たないように配置し,自然な形で一般の人が参加するようにしたようだ。要所要所にT-Mobileのケータイを持った人を置き,同社の製品をうまくアピールしている。
このダンス大会のビデオの成功を受けて,トラファルガー広場のカラオケ大会を盛り上げるための予告ビデオを制作した。次のようなビデオをYouTubeから流した。
この予告の効果もあって,当日のトラファルガー広場には1万3500人の人が集まった。会場では,広告会社Saatchi & Saatchiのスタッフが2000個の無線マイクを配っていた。広告会社が派遣した多くの「さくら」が頑張っていたようだ。 ポップシンガーのPinkもゲストとして参加させ,会場を盛り上げていた。広告会社の活躍ぶりは次のビデオで。
T-MobileのYoutube channel はこちら(youtube.co.uk/lifesforsharing)で,また flickrページはこちらで。また,トラファルガー広場のカラオケ大会を2分版にまとめたビデオを,Saatchi & Saatchiが2日間で仕上げたという(2000本のマイクからの録音と20台のカメラでの録画から,2分間のビデオにまとめるのは大変である)。
このように大衆を巻き込んだプロモーションビデオは増えそう。Sound of Music | Central Station Antwerp (Belgium)とか,Beyonce 100 Single Ladies Flash-Dance Piccadilly Circus, London for Trident Unwrapped も,この種のバイラルビデオである。
◇参考
・Pop singer Pink stars in T-Mobile's latest sing-alongs now on YouTube(tampabay.com)
・T-Mobile’s Singalong(Reuters)
・ T-Mobile karaoke aired during Britain's Got Talent(Funkadelic Advertising)
・最近はやっているバイラルビデオ(メディア・パブ)
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