でも,大幅に落ち込んでいる新聞,雑誌,そしてTVのような伝統的なメディア広告に比べれば,オンライン広告はまだマシである。またこの不況で停滞している間に,費用対効果が高いオンライン広告に軸足を移そうとする広告クライアントも増えている。
来年にも景気が回復に向かえば,オンライン広告は20%近い高度成長に復帰するのではとの期待も大きい(たとえば,Forrester Researchの予測)。その備えもあって,アドネットワークの整備が着々と進んでいる。
comScoreが発表した4月の米アドネットワークのトップ25を以下に掲げる。今年4月と昨年4月のユニークユーザー数と,1年間の増減率を示している。
トップは AOLの Platform-Aである。1億7646万人のユニークユーザーにリーチし,これは米国のインターネットユーザーの91%もカバーすることになる。リーチ力の尺度だけで比べれば,YahooやGoogleのアドネットワークを凌いでいる。
今回のランキングで注目すべきは,AOLやYahoo,Googleのポータル系常連に加えて,上位に新顔が躍進してきたことだ。FOX Audience Networkは約1億5000万人にリーチでき,突然7位に浮上してきた。この1年間でリーチを2桁台の伸びで急拡大させたアドネットワークも目白押しである。たとえば,24/7 Real Mediaは前年同月比で48%増,またTurn, Incは同121%増,CPX Interactiveは同88%増とリーチを一気に広げ,上位に登場してきた。
このほか大物のFacebookも新たに, Facebook Platform と Facebook Connectをベースにした強力なアドネットワークを開発するのではとの噂も出ている。
また,こうした巨大化するアドネットワークとは別に,特定の分野に絞った,いわゆる垂直型アドネットワークの台頭も見逃せない。上の表では,24位のAdifyは180種の垂直型アドネットワークを抱えている。また女性ユーザーをターゲットにしたGlam Mediaも垂直型アドネットワークを擁し,米国のユーザーだけで5500万にリーチしている。GlamやIDG TECHNETWORKのような垂直型アドネットワークは海外への拡大にも力を入れ始めた。
このような垂直型と分類されるアドネットワークの伸びが,急成長しているアドネットワークの中でも,特に際立っているのだ。以下は同じcomScoreの調査で,今年3月と昨年3月における米国の垂直型アドネットワーク全体のユニークユーザー数を示している。2009年3月のユニークユーザー数は1億人を超え,前年同月比で172%も増えているのだ。リーチ率も57.1%と,1年前の21.5%から急伸している。

次は,Gaming,Entertainment,Community,News/Information,Healthの5分野について,垂直型アドネットワーク経由で訪れた人の月間滞留時間と一般に訪れた人の月間滞留時間を比較している。垂直型アドネットワーク経由で訪れた人の方が滞留時間が123%も長いということなのである。それだけより深く興味を持った人を誘導するのだから,垂直型アドネットワークに掲載する広告料金を高くできるということか。

◇参考
・comScore Study Highlights Rapid Emergence of Vertical Ad Networks for Reaching Engaged, Targeted Audiences(comScore)
・April's Top 50 Websites: SocNets, Swine Flu Top-of-Mind(Marketing Charts)
・comScore Releases April 2009 U.S. Ranking of Top 25 Ad Networks(comScore)
・Zuckerberg mum on funding, ad network rumors(Cnet News)












