ところが信じられないことが起こった。5月半ばころからユニークユーザー(UU)数の増加がピタッと止まったというのだ。CompeteやQuantcastのデータによると,Twitterの5月のUU数が急に微増あるいはマイナスに転じたというのである。
Competeによると,5月の米国でのUU数は1973万人で,4月に比べ1.47%増と成長がほぼフラットにとどまった。

一方のQuancastによると,5月9日のピーク時に2440万人に達した月間ユニークユーザー数が現在は2190万人に減じている。

「ほんまかいな」と信じがたい急変ぶりである。季節要因かもしれないので,同じように急成長しているFacebookの5月データを見てみた。Competeによると,Facebookの5月のUU数は前月に比べ+8.54%と堅実に増えている。Twitterは年間成長率が+1043%と,同+254%のFacebookに比べても桁違いの勢いを誇示していたのに,5月の月間成長率がFacebookより大幅に下回る1.47%になっているのだ。やっぱり,何かが起こっているのかもしれない。

一部ユーザーによる熱狂的な騒ぎに加え,それに便乗したメディア報道により,Twitterがバブルっぽくなってきたのは確かだろう。爆発的な成長からやや落ち着いた段階に入ってきたのか,それともバブルが一気にはじけていくのかが,気になるところだ。もうしばらく様子も見ていく必要がありそう。
でも最近の調査によると,Twitterの成長に減速感が現れ出すとのことだ。Nilsen onlineの調査結果では,Twitterユーザーのretention rate(リテンション率:再訪問率)が低いことを指摘していた。周りが騒ぐので,一度はTwitterを試したものの,再利用するユーザーは少ないとのことである。
またHarvard Businessが30万人を対象にした調査によると,Twitterコンテンツの90%は1割のTwitterユーザーによって作られているという。つまり大半のTwitterユーザーは読むだけのROMユーザーということだ。ほとんどの人は,さえずっていないのである。また半数のTwitterユーザーは,74日間に一度もページを更新していない。
Purewireの調査でも,Twitterユーザーはアカウントを取っても,40%は実際にはtweetしないままになっている。また約25%はだれをもフォローしていない。またTwitterユーザーの1/3以上は,一言もtweetしていない。約80%のユーザーは,tweet回数が10回以下である。
多くのTwitterユーザーは騒ぎにつられて飛びついたものの,意外と冷めており,ほとんど発信(tweet)していないのか。使っても,情報収集のための一方向コミュニケーションとして利用している人が多そう。一方,フォローしたりフォローされたりして,双方向でガンガンTwitterを使いまくる熱狂的なユーザーはもう急激に増えそうもないので,UU数の伸びが鈍化するのもしかたがないところか。
◇参考
・FacebookとTwitter,ユーザー滞留時間が驚異的に増加(メディア・パブ)
・New Twitter Research: Men Follow Men and Nobody Tweets(Harvard Business)
・The Web in Numbers: Twitter’s Phenomenal Growth Suddenly Stops(Mashable)
・Twitterユーザー、熱しやすく冷めやすい(メディア・パブ)
・Twitter hype punctured by study(BBC News)
・TweetGrade Tames Twitter Universe to Help End Users Know Who They Can Trust(Purewire)