New York Postが報じたスクープ?によると,Googleの共同創業者であるSergey Brinは,Microsoftの新検索エンジンBingを警戒し,トップエンジニアを集めて急いでWebサービスを改良させているという。
Bingのベータ版の評価は意外と高い。それにMSもBingを単純な "search engine"でなくて, "a decision engine"として売り出している。そこでまず, travel, health, shopping and local searchesの主要4分野から,Googleの検索市場の切り崩しにかかる。約1億ドルの販促費を掛けて,MSはBingの売り込みに力を入れている。その効果か,出足でのユーザーの食いつきも上々のようだ。Googleとしては,Bingの出鼻をくじくためにも,早急に対策を練る必要があるのかもしれない。
もう一つ,Googleが警戒していることがある。同社の検索エンジンの泣き所とされているリアルタイム検索機能である。Twitterの爆発的な人気により,リアルタイム検索ニーズが高まっている。そこでGoogleが
Micro Blog Search を開発しているとの話が,急速に盛り上がっている。人気ブログのGoogle Operating Systemが口火を切り,Cnetなどが一斉に後追いでレポートしている。Google自身もリアルタイム検索の必要性をこれまでも語っており,来日中の副社長Marissa MayerもTwitterなどのマイクロブログ検索をユニバーサル検索の一部として提供する計画があることを明らかにしている。
Googleはいろいろなサービスえを手掛けているが,やはり中核事業は検索エンジンである。売上の大半を検索広告に頼っているし,今後も大きく頼らざるえない。Forrester Researchの長期予測でも,ネット広告の中心はこれからも検索広告と指摘している(ここを参照)。2014年のネット広告費の57%を検索広告費が占めると予測している。
それだけに,検索広告売上に大きく頼るGoogleとしては,検索シェアを死守していかなければならない。以下のcomScoreのデータからも明らかに,Googleの検索シェア(米国)は拡大し続けている。

(グラフ:Sillicon Allay Insider,データ:comScore)
Hitwiseの2009年6月6日(過去4週間調査)データでも,検索問合せ件数が
Google:74.06%
Yahoo:16.61%
とGoogleが圧勝している。
だが一方で,検索広告シェアが少しでも侵食されると,Googleの経営が大打撃を受ける懸念があるのだ。それだけに,広告シェアを死守するためにも,Bing対策やリアルタイム検索対応は欠かせない。
◇参考
・FEAR GRIPS GOOGLE(NY Post)
・Google to Launch a Microblogging Search Engine(Google Operating System)
・Google Readying Bing, Twitter Countermeasures(WebProNews)
・景気回復後,ネット広告は再び急成長に(メディア・パブ)
・Twitterが再噴火、ソーシャル分野ではGoogleを追い抜く勢い(メディア・パブ)