荒れ狂うイラン騒動の中で,Twitterが大活躍したのは確かなようである。マスメディアに対する取材規制からソーシャルメディアの利用遮断と,当局の締め付けが一段と厳しくなるなかで,Twitterが情報提供や情報交換のツールとしてしぶとく利用されているようである。
今日の早朝(日本時間の21日1時)も,改革派(反政府派)のムサビ元首相の支持者のTwitterアカウントmousavi1388で,「私(ムサビ)は殉教(martyrdom)する覚悟である」とのメッセージを,英語ならびにペルシャ語で発信していた。

20日付けのNYTimes.comでも,次のように伝えられていたので,かなり信憑性の高いメッセージだろう。
The opposition leader, Mir Hussein Moussavi, appeared at a demonstration in southern Tehran and called for a general strike if he were to be arrested. “I am ready for martyrdom,” he told supporters.こうしたメッセージは,Twitterなどを介して瞬間にして世界に伝わる。Twitter Searchで,"I am prepared For martyrdom, go on strike if I am arrested #IranElection"をキーワードとして検索をかけてみると検索結果(Realtime results for "I am prepared For martyrdom, go on strike if I am arrested #IranElection)のように,すごい勢いでTwitterユーザーが一斉にこのメッセージを拡散させていたことがわかった(retweetしていた)。
ついでに,Twitter検索エンジンの新顔として最近人気上昇のTwazzupも覗いてみた。以下のようにトピックスもイラン一色である。世界中のTwitterユーザーの多くが,イラン騒動を話題にしているのだろう。

ここでホットトピックの一つ“Unrest in Iran”にアクセスしてみた。そのページは次の通り。熱気が溢れている。GoogleやFacebookと同じように,ペルシャ語をサポートしていた。
このようにTwitterが,反政府派にとって欠かせないメディアになったことは間違いない。反政府派の活動やメッセージを世界中にリアルタイムで伝えるツールとして,重要な役割を果たしているのだろう。ただし,イラン国内ではインターネットの利用規制が課せられたりしているため,国内で現時点でどこまで活用されているかは不透明である。でも今や,中国の例を見てもわかるように,インターネットを完全に遮断することはできない。インターネットなしでは経済活動も政治活動も事実上止まってしまうからだ。このため,イラン国内から情報が漏れ出るのを阻止するのは難しい。市民が撮った写真や動画が,ソーシャルメディアを介して世界中に流れているのも,そのためである。
マスメディアからソーシャルメディアまで情報規制が課せられている中でも,ムサビ氏が以下のTwitterで伝えているように,Twitterが最後のツールとして利用され続けてきている。どうしてだろうか。
そこでNYTやCnetをはじめ有力ブログも,なぜイラン騒動でTwitter革命が起こったのかを検証し始めている。NYTが“Twitter Is a Tool and Thus Difficult to Censor”と,Cnetが“Twitterverse working to confuse Iranian censors”と解説するように,Twitterは取り締まれにくいメディアのようである。それに,誰もがモバイル端末などから手軽に送受信できるメディアであることも,生き残る要因なのかもしれない。
「140文字で政治活動のメッセージを伝えられるのか」と皮肉も言われそうだが,発展途上のTwitterがしばらくソーシャルメディアの台風の眼になりそう。
◇参考
・Twitter on the Barricades in Iran: Six Lessons Learned(NYTimes.com)
・Twitterverse working to confuse Iranian censors(cnet news)
・Twitter is critical tool for Iran's activists(Al Arabiya News Channel)


