MediaPostによると,Amazonが広告付き電子書籍の特許を出願していたが,同社の特許“ON-DEMAND GENERATING E-BOOK CONTENT WITH ADVERTISING “がこのほど米国特許商標庁から発行された。

また同社からは,INCORPORATING ADVERTISING IN ON-DEMAND GENERATED CONTENT の特許も出ている。オンデマンド印刷コンテンツ(書籍)への広告組み込みも検討しているのだろう。
Amazonとしては,Kindle向け電子書籍を本格離陸させていくために,できる限り安く電子書籍を提供していきたい。紙の書籍よりもグンと安く電子書籍が購入でき,それも思い立った時に無線ですぐに入手できれば,Kindleで書籍を読もうとする人が増えるはず。
たとえば,ハードカバー版の“The Roger Federer Story”が24.95ドル(アマゾン価格は16.47ドル)で売られているのに対して,以下のようにKindle版電子書籍が9.99ドルと大幅割引にてAmazon.comで売られている。

この割引攻勢もあって,電子書籍リーダーKindleは,2008年に50万台,2009年第1四半期に30万台が出荷されたと言われている。でもまだ,380人の米国人のうち一人しかKindleを所持していない。これからが本番ということだろう。ソニーやサムソン,それにグーグルやアップルなども電子書籍市場に乗り込んだり,あるいは参入準備を進めている。
そこでアマゾンは,電子書籍に広告を掲載することにより,より安価に販売したり,物によっては無料で電子書籍も配布するかもしれないのだ。電子書籍流通の制空権確保を目指して,アマゾンが次の一手を打とうとしている。
◇参考
・Amazon Patents Detail Kindle Advertising Model(MediaPost)
・Amazon Filings Suggest Ads May Be Coming To E-Books(paidContent.org)
・Amazon Could Offer Free Or Cheap Ad-Supported Kindle E-Books (AMZN)(Silicon Allay Insider)
・6 Reasons Why Ads On The Kindle Don't Work (AMZN)(Silicon Allay Insider)