MPAは四半期ごとに,Publishers Information Bureau (PIB)が調べた米雑誌の広告売上/広告ページを公開している。一般にメディア広告の出稿量は季節要因に左右される。このため,四半期データを調べる場合も,一つ前の四半期と比べるのではなくて,1年前の四半期と比較することになる。
以下は,09年第2四半期および同第1四半期における,米雑誌の広告売上/広告ページの年間増減率を示している。第1四半期の広告売上が前年同期比20.6%減で,広告ページ数が同26.1%減であった。それに対して,第2四半期の広告売上が前年同期比21.4%減で,広告ページ数が同29.4%減と,下落率が大きくなっている。つまり,米国の雑誌広告は底打ちしていないのだ。

(ソース:MPA)
雑誌別の広告実績も公開されている。個人的に関心のある雑誌をピックアップして,以下に掲載しておく。ここでは,09年上期(1月-6月)と08年上期における,広告売上と広告ページ数が出ている。平均して,広告売上が2割減,広告ページ数が3割減だから,史上最悪ともいえる状況だ。その上,まだ下げ止まっていないのだから怖い。

(ソース:MPA)
Business Week,Foebes,Fortuneの3大ビジネス誌が,やはり悲惨な状況に陥っている。全雑誌の平均よりも,広告売上/広告ページ数の落ち込みが大きい。金融や自動車の広告が激減したのが大きく響いたのだろう。それに,めまぐるしく激変する金融/ビジネスの動きを追うには週刊誌や月刊誌では遅すぎて,読者が離れるも仕方ないのかも。
全滅に近い状況下の中で,踏ん張っているのがMeredithの有力誌である。FamilyCircleは,上期の広告売上を前年同期比で14.3%も増やしている。同社のBetter Homes and Gardens やLadies' Home Journal も,広告売上を微減に食い止めている。トップランナーであるTime Inc.のセレブ誌Peopleも,広告売上が4%減に留まっており,頑張っている。
広告カテゴリー別の売上/ページ数も公開されていたので,以下に載せておく。

(ソース:MPA)
金融と自動車が激減しているのは当然か。不況でも,暮らしていくには日用品や食料が欠かせないので,その分野の広告の落ち込みが少なめなのも納得できる。
◇参考
・PIB: Recession Continues to Impact Magazine Advertising in First Half( Magazine Publishers of America)