同業のFinancial Timesは“NYT profit offers hope for industry”と,今回のNYTの黒字化が新聞業界に希望をもたらすと伝える。ほんとうに米新聞社が回復に向っているのだろうか。
どうもそうでなないようだ。総売上は回復どころか大幅に減っきており,厳しい状況に変わりがない。NYTは21.2%減で,McClatchyが25.4%減と前年同期に比べ大幅に売上が落ち込んでいるのだ。なのに増益になったのは,大きく経費を節減したからである。NYTは20.0%,McClatchyは28.1%も経費を節減したのである。
さらに問題は売上の内訳にも見られる。両社とも売上の中核となる広告(プリント広告+オンライン広告)売上が前年同期比で30%以上も減らしている。まだ底打ちしていなかったのである。これでは,回復に向かっているとはいえない。
両社の09年第2四半期決算の概要は次の通り。
*NYT(The New York Times Company) の2009年4-6月期決算(単位:1000ドル)
*McClatchyの2009年4-6月期決算(単位:1000ドル)
◇参考
・The New York Times Company Reports 2009 Second-Quarter Results
・NYタイムズが本当に危うくなってきた
・New York Times Company CEO confirms likelihood of pay-wall for NYT content by Autumn(editorweblog.org)
・McClatchy Reports Growth in Second Quarter 2009 Earnings(プレスリリース)
・McClatchy Net Rises on Cost Cuts(WSJ.com)