
Discovery Channelは世界最大のドキュメンタリー(TV)チャンネルである。手を組む相手のBaiduは中国最大手の検索エンジンである。Discoveryのコンテンツを中国市場向けにカスタマイズし,中国語に翻訳して提供していく。Webの管理はBaiduが担当する。広告収益モデルで,広告売上は両社でシェアする。
世界170カ国,35言語で配信されているDiscoveryのTV番組は,中国でも1998年から提供されており,すでにかなりの知名度を得ている。一方のBaiduは2000年に設立された検索エンジンだが,中国国内では70%以上のシェアを誇る。強力なペアだ。
Discoveryのように,欧米の有力メディア企業はオンライン市場のグローバル展開に動き始めている。そのグローバル展開では,やはり中国とインド市場に注力することになる。インドは英語圏としてビジネスができるので参入が容易だが,中国ではコンシューマー向けサービスとなると中国語化が欠かせないし,政府の規制にも対応しなければならないため面倒である。
だが中国参入は不可欠となってきた。 China Internet Network Information Centerによると,中国のインターネット人口は6月末に3億3800万人に達した。世界最大のインターネット人口を擁し,さらにこれからも増え続けていくだろう。Discovery Channelが,この強大な中国市場で躍起になるのは当然かも。中国語が分からないままにサイトを覗いてみたのだが,オンデマンドで幾つかの動画が視聴できた。日本にもDiscovery(日本語版)のWebサイトがあるが,こちらは単に国内で放送しているDiscovery Channelの案内だけであった。
◇参考
・Baidu and Discovery Form Strategic Partnership(プレスリリース)
・Discovery Partners With Baidu On Chinese Content Site(paidContent.org)
・Discovery, Baidu join for website(THR.com)