その結果として,総広告費に対するインターネット広告費の割合が大幅にアップしてきた。インターネット広告が,これからの広告市場のけん引役を演ずることになるのだろう。
ちょうどカナダのインターラクティブ広告協会Interactive Advertising Bureau of Canada が,欧米各国におけるインターネット広告費が総広告費のどれくらいの割合を示したかを,グラフで示してくれていた。それに電通が発表した日本のデータを加えたのが,以下のグラフである。
*総広告費に占めるインターネット広告費の割合

日本の2008年のインターネット広告費は6983億円で,総広告費6兆6926億円に対する比率は10.4%となる。ブロードバンドや3Gケータイなどのネットインフラは,欧米各国に比べ圧倒的に普及しているのに,インターネット広告費の割合が低い。調査の方法の違いがあるかもしれないが。やはり,マーケッティングの舞台となると,日本では伝統的なオフラインメディアがまだまだ強いということか。
だが,北欧や英仏独の各国では,インターネット広告が主役の座についていると見た方がよさそうだ。1年ほど前に,「オンライン広告がTV広告を追い抜く日,英国では来年にも」との見出しの記事を書いた。ひょとしたら,今年にも英国では,インターネット広告費がテレビ広告費を追い抜くかもしれないのである。
◇参考
・2008 Canadian Online Advertising Revenue Grows To $1.6 Billion And Surpasses Radio(IAB Canada)
・2008 Actual + 2009 Estimated Canadian Online Advertising Revenue Survey (Interactive Advertising Bureau of Canada)
・2008年日本の広告費(電通)
・オンライン広告がTV広告を追い抜く日,英国では来年にも(メディア・パブ)
しかし、近い将来にネット広告費が50%を超える日が来るでしょうね。日本のマスメディアは、団塊社員の大量退社に伴う退職金と企業年金の負担増で、かなり危険な水準になっているのでしょうか。世界各国の「既存マスメディアの賃金比較」って、どっかにないでしょうか?