技術分野の代表的なニュースアグリゲーターであるTechmemeでは,掲載記事のソースランキングLeaderboardをいつも公表している。ソースには,新聞社や雑誌社のような伝統的なマスメディアサイトや,オンライン特化の専門ニュースサイト,それにブログなどが登場している。以下は,8月3日付のランキング結果である。過去1ヶ月間の掲載シェアによるトップ24ソースが出ている。
Techmemeで掲載されている記事は,ブログやSNSなどのソーシャルメディアの世界で話題になり頻繁に引用されているはずだ。上の結果からもわかるように,New York Times(NYT)やWall Street Journal(WSJ)のような有力な新聞社サイトも姿を現している。ここで興味深いのは,新聞社サイトの記者ブログが別扱いになっていることである。
上のランキングに登場しているDigitsとBoom TownはそれぞれWSJ(Digital Network)内のブログであり,またBitsはNYTimes.com内の記者ブログである。Techmemeでの掲載だけではなくて,ブロガーやソーシャルメディア・ユーザーの間でも,記者ブログが新聞ブランドではなくてブログブランドで通用するようになっているというこどだ。たとえばBitsのブログ記事は,NYTの記事ではなくてBitsの記事として流通し始めているのである。
ブログ検索エンジンやブログアグリゲーターのTechnoratiでも同じ動きを見せている。Technoratiでは世界のトップ100ブログ((top 100 blogs)を発表しているが,新聞社サイトの記者ブログが新聞ブランド抜きで扱われていた。以下はその例である(ABC NewsのブログもABCブランドが消えている)。
記者ブログの例として,NYTimes.comの政治ブログCaucusを覗いてみよう。
当然のことだが,ブロガーである記者の署名記事となっている。上の例で,記者名David Stoutをクリックすると,同記者の過去記事アーカイブに飛ぶ。以前Google Newsを例に,新聞ブランドから記者ブランドの流れを紹介したが,新聞社サイトにおいてもブログブランドや記者ブランドを前面に押し出す時代になってきたようだ。これは読者のニーズに応える動きともいえる。新聞ブランドよりもブログブランドや記者ブランドに従った方が,雑音が少なく効率よく情報収集しできるのかも。
◇参考
・Google News,新聞ブランドから記者ブランドの流れ(メディア・パブ)