まず,米新聞社サイトのここ数年間のユーザートレンドを最初の表で見ておこう。全新聞社サイトのユニークユーザー数やページビューの総計は,少し頭打ちの傾向を示しているが,まだ増えてはいる。ただ,生き残りを賭けてオンライン事業に投資している割には,やや勢いに欠ける。それよりももっとも気になるのは,一人当たりの閲覧ページ数や訪問回数が少なく,滞留時間が短いことだ。さらに悪いことに,一人当たりの閲覧ページ数や滞留時間が下降線をたどり始めていることである。
●米新聞社サイトのユーザー関連データの推移(2003年3月〜2009年6月)
(ソース:Nielsen Online)
主要新聞社サイトも,一人当たりの平均滞留時間が減ってきている(6月にBoston.comが異常に増えているのは, Boston Globe紙が廃刊の瀬戸際に立たされ,それに関するニュースで盛り上がったため)。
●米主要新聞社サイトの一人当たりの平均滞留時間:09年6月
(ソース:Nielsen Online)
米国の主要Webサイトと比べても,全ての新聞社サイトが束になっても,ユニークユーザー数や滞留時間で劣勢となっている。
●大手Webサイトと新聞社サイトのユニークユーザー数/一人当たり月間滞留時間
(ソース:Nielsen Online)
米国のアクティブ・インターネット・ユーザー数(Active Digital Media Universe)は,Nielsen調査によると 1億9597万人となっている。一人当たりの月間閲覧ページ数を2569ページと見ているため,米国ユーザーの総閲覧ページ数は月間5030億ページとなる。冒頭の表で,6月の新聞社サイトのページビュー総数が35億と見積もっている。ということは,米国の総閲覧ページ数の1%以下,正確に言うと0.69%になるとNieman Journalism Labは推測しているのだ。
◇参考
・NEWSPAPER WEB SITES ATTRACT MORE THAN 70 MILLION VISITORS IN JUNE; OVER ONE-THIRD OF ALL INTERNET USERS VISIT NEWSPAPER WEB SITES(NAA)
・70.3 Million Unique Visitors Go to Newspaper Sites in June(NAA)
・Newspaper Web Sites(NAA)
・EXCLUSIVE: Average Time Spent For Top 30 Newspaper Sites (Editor&Publisher)
・NIELSEN PROVIDES TOPLINE U.S. DATA FOR JUNE 2009(Nielsen Online)
・NAA/Nielsen stats show newspapers own less than 1 percent of U.S. online audience page views, time spent(Nieman Journalism Lab)