休刊する4誌は,グルメ誌の「Gourmet」,育児誌の「Cookie」,結婚情報誌の「Modern Bride」と「Elegant Bride」である。幸せ一杯の読者向け雑誌が,相次いでRIP(安らかに眠れ)とは。
70年の歴史を誇るGourmetもDeath Pool行きとなった。同誌の年間広告売上高は,2007年が1億2592万ドルで,08年が1億0199万ドルであった。また同じくDeath Pool行きとなったModern Brideの年間広告売上は,07年が1億4767万ドル,08年が1億4514万ドルである。
つまり年間広告売上高が100億円規模の雑誌までがDeath Poolに追いやられるわけだ。今回の不況が,広告依存度の高い米雑誌を窮地に追い込んでいるのだ。
その広告売上が09年上期に入っても下げ止まらない。休刊が決まった4誌の,09年上期の広告売上高と広告ページ数は次のとおりである(米雑誌協会のデータ)。
08年上期と比べても,かなり落ち込んでいる。特にGourmetは悲惨だ。広告売上高の規模が大きいだけに,売上の減り方も生半可ではない。今回の休刊に合わせて,約180人の人員削減が実施されるもよう。
雑誌休刊に伴って,コンデナストもオンラインサイトの強化を進めるようだ。休刊誌のブランドもオンラインサイトで活かしていく。
◇参考
・Condé Nast Shuts Gourmet, Cooking Mainstay Since World War II (bloomberg.com)
・For Gourmet, The Unkindest Cut of All(washingtonpost.com)
・Condé Nast Closes Gourmet and 3 Other Magazines (nytimes.com)
・After Print Deaths, Condé Nast Faces Digital Future(New York Observer)
・米雑誌の広告売上、2011年までマイナス成長が続くのか(メディア・パブ)