そこで気になるのが,キンドル版新聞が順調に立ち上がっているかである。不振にあえぐ米新聞社にとっては,キンドルブームにあやかって,電子書籍リーダー向けの新聞コンテンツの購読料収入に期待したい。
だが,キンドル版新聞が売り出されてから1年半近く過ぎたのだが,利用している読者がどれくらいいるかが明らかになっていない。でもやっと,おそらく初めてかもしれないが,LATimes(Los Angeles Times)のキンドル版購読者数が漏れ出た。Russ Stanton(Editor, Los Angeles Times)が,“ Times has 2,700 Kindle subscribers”(Communication Leadership Blog)と明らかにしたのだ。
この結果,キンドル版のLATimesの年間売上高を,NiemanLabでは次のようにはじいている。

97,200ドル(年間売上高)
=120ドル(年間購読料)×0.3×2700(購読数)
Amazon.comでの売上のうち,7割がAmazonの取り分になるので,3割(×0.3)が新聞社の売上高に計上される。
でも年間9万7200ドル(約900万円)では,記者一人分しか養っていけないのでは。本番はこれからだから,もっと売上は増えていくだろうが,新聞社にとっての救世主になるかどうか。一方のアマゾンにとっては,Kindleが普及すればするほど,物流や在庫の不要なデジタルコンテンツをシステムで流すだけで,売上の7割がチャリンチャリンと懐に。
注:
キンドル版のLATimesの月間購読料は,以下のように19.99ドルとなっている。

◇参考
・Stanton's local strategy: data and citizen participation