ところが一方で,新興のメディア企業が台頭してきている。オンラインメディア分野のスタートアップ企業が力をつけてきている。そこで先日の記事で紹介した,Silicon Alley Insiderが発表したスタートアップ企業のランキングから,新興のメディア企業を取り上げてみた。各企業の今年の売上高を予測し,そこからバリュエーションをはじき出している。

(Silicon Alley Insiderの予測より)
また,Mediaweekが毎年発表しているDigital Hot Listの2009年版が先週に決まった。今年も早くも,この手の発表が出てくる季節になってきたのか・・・。デジタル産業界で注目された,企業や製品/サービスが以下のように10件選ばれた。
The 2009 Digital Hot List
1.Facebook
2.Hulu
3.Twitter
4.Google
5.iPhone
6.Huffington Post
7.Bing
8.WSJ.com
9.Federated Media
10.AddictingGames
ここでも,Hulu,Huffington Post,Federated Mediaのメディア企業がリストアップされていた。
ブログパブリシャーのFederated MediaやGawker Mediaについては,このメディア・パブでも4年近く前から,何度か紹介してきた。だが,最近すっかりご無沙汰していたので,ちょとだけ調べてみた。
Federated Media(FM)については,親分(CEO)のJohn Battelle はマスメディアにたびたび露出し活躍しているようだが,ブログなどを対象にした本業のアドネットワーク事業は不況の影響で少し勢いを欠いているようだ。広告の中心もディスプレーからタイアップにシフトしている。高いCPMのモデルも出始めているというが,今年の売上は4400万ドルと少しへこむようである。
ブランド広告が弱いのが課題。その対策の一つとして,今春からTwitter社と組んで,エグゼクティブの Twitterのつぶやきをアグリゲートした ExecTweetsサービスを実施している。マイクロソフトがスポンサーになっている。企業のエグゼクティブのつぶやきをワンストップで追跡できる。100万人以上のフォロワーが追っているという。これで少しは,大手企業のトップもFMに注目し,ブランド広告の出稿も期待できるのかな。

Gawker Mediaも,今回の大不況で,昨年は苦戦を強いられたようだ。そこで,親分(発行人)のNick Dentonが大ナタを振った。14人のライターをレイオフし,収益性のよくないWonkette, Gridskipper , Idolatorの3ブログを売却した。さらにValleywagとDefamer の2ブログをGawkerに組み込むことにした。絞られた9ブログの総ページビューは,09年6月に3億3400万に達した。以下の表のように,この1年間で大幅にアクセスが増えたのだ。その結果,Gawker Mediaの09年上期の広告売上高が,前年同期比で35%も増えた。
*Gawker Mediaの9ブログの月間ページビュー

(Nieman Journalism Labの記事より)
◇参考
・The SAI 50+: World's Most Valuable Internet Startups(Silicon Alley Insider)
・Digital Hot List 2009(MediaWeek)
・With ad revenue up 35%, Gawker Media returns to pageview bonuses and plans “checkbook journalism”(Nieman Journalism Lab)