Steve Herrmann氏(editor of BBC News website)によると,BBCのニュースサイトへのトラフィックのうち,29%は検索エンジンからであるという(英国内のトラフィック)。その検索エンジンからのトラフィックをさらに増やすために,ニュース見出しをフロントページ向けと本文ページ向けとの二つを用意することにした。
多くのニュースはフロントページに見出しが表示され,そこをクリックすると本文ページに飛ぶことになる。でも,検索エンジンやソーシャルメディア(ブログなど)から特定ニュースへのアクセスは,フロントページをパスして本文ページに直接辿りつく。
そこで,本文ページのニュースは検索されやすい見出しにすべきである。BBCでは本文ページのニュース見出しを最大55文字まで許し,キーワードを多く含むことができるようにした。一方フロントページでの記事見出しは,ユーザーが多くの見出しから読みたいニュースを素早く見つけ出せるように,見出しは短く直観的にわかるようにすべきであろう。そのため,見出しの長さは31〜33文字とした。
その具体例として,マイケル・ジャクソンが初めて「ムーンウオーク」を披露した特に着けていた手袋が35万ドルで落札されたニュースの見出しを見てみよう。
フロントページでは,そのニュース見出しは“Jackson glove sells for $350,000”となっていた。

一方本文ページでは,以下のように“Michael Jackson Moonwalk glove auctioned for $350,000”と長い見出しとなっていた。

本文ページの見出しには,“Moonwalk”や“Michael”といったキーワードが加わっており,検索エンジンでこのニュースが見つかりやすくなっている。一方のフロントページでの短いニュース見出しは人間にとってわかりやすくしており,モバイルでもその見出しを使う。
NYtimesの例でもそうだが,米英のマスメディアのニュースサイトでは,検索エンジンやソーシャルメディアからのトラフィックを増やすことに力を入れてきており,今後さらに強化が進みそう。
◇参考
・Changing headlines(BBC)
・BBC bows to SEO(Guardian)
・NYTimesのサイト, ブランド依存から脱却し検索エンジン対策も(メディア・パブ)