
Bloomberg.comのトップページから,BusinesWeek.comへのリンクが12月1日から張られている。
BlommbergによるBusinessWeek誌買収が12月1日に完了したからだ。140ヶ国に470万人以上の購読者を抱え,80年の歴史を誇るビジネス週刊誌BusinessWeekが,McGraw-HillからBloombergへ売却されたのである。
この売却日に合わせて,名物編集者のJohn A. ByrneがBusinessWeekを去り,新しいデジタルメディアを開発するためにC-Change Media Inc. を設立した。同氏はBusinessWeek誌で56回もカバーストリーを執筆した人気記者であり,BusinessWeek.comの編集長も務めてきた。また同氏のポッドキャストは評判が高かった。毎週のBusinessWeek誌のカバーストリー執筆記者を相手にインタビューした内容である。
その彼が開発するデジタルメディアの具体的なイメージがまだはっきりしないが,Byrneは次のように開発の背景を語っている。
まず,プリントメディアの現状が,
・プリント広告は回復しない
・オンライン広告でプリント広告が減った分を補うことは不可能
・ユーザーはオンラインコンテンツにほとんど金を払わない
ということを認識した上で,デジタルメディアの開発に挑む。
伝統的なメディアは,高コスト,古い思考,時代遅れの仕事の進め方から抜け出せないでいる。このため新興メディアが大きなアドバンテージを持ち得るのだ。これからの3年間はメディアブームが到来するはずだ。伝統的なメディアのメルトダウンが進む一方で,新興のオンラインメディア企業が何千あるいは何万と生まれてくる。多くのメディアベンチャーは失敗するであろうが,開花するベンチャーも生まれてくる。
すでに新興のメディアベンチャーが開花し始めている。Huffington Post, Politico, Drudge, GigaOm, TechCrunchなどがそうである。これら先行した新興メディアを追うメディアベンチャーが,これからの3年間にドッと登場してくる。後発の新興メディアは先行のメディアを学習することにより,アドバンテージを持ち得る。
さてByrneはどのような新興メディアを立ち上げていこうとするのか,楽しみである。
◇参考
・Bloomberg Completes Acquisition of BusinessWeek(プレスリリース)
・Bloomberg completes purchase of BusinessWeek(AP)
・Byrne Leaving BusinessWeek to Start Digital Media Company(BusinessWeek)
・About My New Company(C-Change Media Inc. )