
Los Angeles Times(LAタイムズ)も,NYタイムズやウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に負けじと,ツイッター利用に取り組んでいる。
Los Angeles Times on Twitterのページに行くと,Twitterのアカウントがあるはあるは。LAタイムズでは大幅な記者のレイオフが続き,記者も暇じゃないはず。こんなに多くの分野の記者がつぶやいていて,大丈夫なんかしら。でもつぶやく内容はほとんど,自分のカバー範囲の分野に絞っており,情報収集する読者にはありがたく,またマーケティングの観点でも役立つのかも。
以下に,アカウントのディレクトリーの一部を載せておく。News,Business,Arts & Entertainment,Sports,Opinion & Columns,Multimedia,Livingといった分野をカバーしており,さらにテーマが細分化されている。

アカウントはテーマ別と記者別に備わっている。たとえば,LivingのFood分野のアカウントは,次のようにFood分野をカバーしている4人の記者のつぶやきを束ねているが,各記者別のアカウントも用意されている。

そこで,テーマ別のアカウントリスト(all accounts by section)と記者別のアカウントリスト( all individual accounts)が備わっており,お好みのテーマや記者のアカウントを選んでフォローできるようにしている。
米国のメディアの記者も忙しいはずなのに,どうしてこうもツイッターやブログにのめり込んでいる者が多いのだろうか。
NYタイムズのNicholas D. Kristof氏のような著名な記者だけではなくて,一般の記者も多い。米国の記者は一種の契約社員で,特定の新聞社や雑誌社にいつまでもぶら下がっておれない環境がそうさせているようだ。つまり自分を売り込むために,個人ブランドを高めておく必要がある。そのためには,ツイッターやブログは絶好のツールである。
LAタイムズのTechBlogの一員であるAlex Pham記者の場合を見てみた。

彼女もまるでブロガーが本業となっているみたいだが,最近はツイッターでも売り込んでいる。最新のブログ記事“A look at the newest digital reader: A pro's take on the Barnes & Noble's Nook”にも,記事の末尾に,次のように自分のツイッターアカウントの案内を付け加えている。

またLAタイムズのサイト内には,彼女の経歴(Alex Pham's bio)や,過去記事のアーカイブ(blog posts by Alex Pham)が設けられている。
さらに外部のGoogle Newsでも,author:"Alex Pham"の検索結果で過去記事を一覧できるようになっている。
読者もしだいに,特定の新聞の記事を読むよりも,お気に入りの記者の記事を読むようになっているのかもしれない。
◇参考
・The Use of Twitter by America’s Newspapers( The Bivings Report)
・ベテラン新聞記者も,活躍拠点をソーシャルメディアへ(メディア・パブ)
・Google News,新聞ブランドから記者ブランドの流れ(メディア・パブ)