まず,そのビデオを。
このビデオを観て,思い起すのが一昨年末の出来事。イラクを電撃訪問したブッシュ米大統領(当時)が,記者会見中にイラク人記者から靴を投げつけられたハップニングである(その時のビデオ)。投げられた靴をうまくかわして,何食わぬ顔を装って会見を続けていた事件だ。
だがアリババのパロディー化したビデオは違っている。好戦的な大統領が靴を投げ返して反撃に出て,ついには激しい靴の投げ合いに発展。テロリスト風の男たちが武器となるデカイ靴を確保するために,電子商取引のAlibaba.comを利用するというパロディー動画である。
このビデオは昨年の5月に公開された。作成者は胡戈氏で,中国では影響力のあるフィルム・クリエイターとして知られている。今はフリーで活躍している。彼は,中国の大作映画『プロミス』や中国中央テレビ(CCTV)のような権威を皮肉るパロディー動画を制作し,それを動画共有サイトに投稿し,多くの大衆から支持されているという。
このバイラルビデオの存在を知ったのは,今週の火曜日(19日)に経団連会館国際会議場で開催されたシンポジウム「ネットが変える中国,ネットで変わる日中関係」(北海道大学主催)に出席したからである。このシンポジウムには,中国の著名なインターネット関係者が参加していたのだが,その中の一人が胡戈氏で,彼の報告でアリババのバイラルビデオを紹介した。
このシンポジウムについては,明日にでも記事で。
◇参考
・ネットが変える中国、 ネットで変わる日中関係
(主催: 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院附属東アジアメディア研究センター)