09年半ばまでの土砂降りの状況から,09年10-12月期には小雨になってきたようだ。オンライン事業に限ってみれば,薄日が差しかかってきた。
09年10-12月期の純利益が9092万ドルと,1年前の2765万ドルから大幅に増えた。コストカットと資産売却のお陰である。売上げは前年同期比11.5%減の6812万ドルなっており,アナリストの予測を上回ったものの,まだ本格的な回復とは言い難い。最大の収入源となっている新閔紙広告の売上高が同20%減と厳しい状況が続いているためか,増益にも関わらず当日(10日)の株価は約10%下落した。
*NYT(The New York Times Company) の2009年10-12月期/09年通年決算(単位:1000ドル)

はっきりと明るい兆しが見てきたのはオンライン事業である。NYTimes.com, About.com, Boston.comなどのインターネット売上高が,前年同期比10.3%増の1億200万ドルとなった。4四半期続いていたマイナス成長からプラス成長に転じたのである。それもプラス10%となった。このうちインターネット広告売上高は9060万ドルで,前年同期に比べ10.6%増となった。
全売上高のうちインターネット売上が占める割合は,1年前の12%から09年10-12月期には15%とアップした。景気が回復しても,新聞紙からの売上増があまり期待できそうもないだけに,これからはインターネット売上への依存が一気に高まりそうだ。
NYTだけではなくてWSJもMcClatchyも,09年第4四半期からインターネット(オンライン)広告売上がプラス成長に転じてきた。新聞の主戦場が,新聞紙からオンラインサイトに移ってきた。
◇参考
・The New York Times Company Reports 2009 Fourth-Quarter and Full-Year Results(プレスリリース)
・NYタイムズの二つの異変(メディア・パブ)
・NYタイムズ,オンライン事業をバネに復活するか(メディア・パブ)
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