グーグルが、過去の雑誌をスキャニングしてOCRでテキスト化しているので,検索も可能である。いずれも創刊号からを対象にしているが、最近のほぼ1年分の号は無料で閲覧できないようにしている。
Popular Scienceは、創刊号のMay 1872から1年前のMar 2009までのすべてのバックナンバーの雑誌の記事を、検索し閲覧できる。次は創刊号の一部である。

137年分の記事をタダで読ませるのは、雑誌の潜在読者層に幅広くリーチするためであろう。米国の雑誌は一般に購読料を安くして、年間予約購読者を増やしていき、広告売上収入に大きく依存している。
Popular Scienceも年間12号分の購読料を14ドルと安く設定していることもあって、号あたりの購読者数が130万人を超えている。広告売上高は、大不況のため大幅に落ち込んでいるが、それでも6200万ドルを稼いでいる。販売売上を大幅に上回っているはず。
*2009年上半期の購読者数(ソース:Magazine Publishers of America)

*2009年の広告売上高(ソース:Magazine Publishers of America)

無料の記事でPopular Scienceのファンを増やし、年間購読者を確保し、レートベースを上げて、広告売上で稼いでいこうとしている。バックナンバーを有料化してもあまり販売売上を得られるとは思えないし。いま旬のフリーミアムモデルとも言えそうだ。
Popular Scienceは月刊誌なので、ニュースはサイトから発信しており、以下のようにiPhoneアプリを用意し、スムーズに閲覧できるようにしている。もちろん、FacebookやTwitterを介して、読者を参加させたコミュニティーにも力を入れている。

IDGは、1970年後半以降に創刊したIT関連雑誌4誌の過去記事を無料公開することになった。
・CIO(Sep-Oct 1987 〜 Mar 1, 2008)
・CSO(Sep 2002 〜 Sep 2009)
・InfoWorld(Dec 11, 1978 〜Mar 26, 2007)
・ Network World (Jan 10, 2000〜Dec 22-29 2003)
70年代後半は、ちょうどビジネスパソコンの市場が離陸し始めたころで、当時のビル・ゲーツやスティーブ・ジョブスの活躍している記事などが見つかる。また80年代前半は、日本のエレクトロニクス産業が絶頂のころで、以下のInfoWorld Jul 19, 1982号の表紙からもわかるように、日本も警戒されていた時代があったのか・・・・。

◇参考
・New! Browse the Complete PopSci Archive(POPSCI)
・Four decades of IDG magazines available in Google’s magazine archive(Media Business)
・次は歴史的な雑誌記事を無料閲覧,Googleが雑誌アーカイブを提供(メディア・パブ)