その中で注目は,以前から噂されていたGDrive(Google Drive)が,スライドの中で登場してきたことだ。GDriveで目指すのは,ユーザーデータ100%を蓄えるだけのストレージを,オンライン(Googleのデータセンター)側で提供すること。つまり,ユーザーには事実上無限のメモリーを与えましょう,ということだ。 ユーザーのe-mails, web history, pictures, bookmarksなど全てのデータを,Googleのデータセンターで蓄えてくれる。このため,ユーザーはどこからでも,どの端末からでも,自分のデータにアクセスできるようになる。
ユーザーのパソコンがクラッシュしようが,ファイルを失っても,世界各地にあるGoogleのセンターが分散してバックアップしてくれているので,大丈夫ということになる。たとえ局所的な大災害を受けたとしても,われわれのデータを守ってくれるのだろう。それに,Google Searchの実績からもわかるように,高速に自分のデータにアクセスできるはず。今まで通り,無料とくれば,Googleさんの太っ腹に感謝したいところだが・・・。でも,Googleの善意に甘えていてよいのかな。Googleも営利を目的とした株式会社である。ユーザーにとって,いつまでも善意の会社である保証はない。ユーザーデータはアプリケーションサービスの中で利用されるが,そのサービスが永遠に無料とも限らないし。またユーザーデータは個人情報のかたまりだけに,全てを任せることへの不安は残る。
資料を見る限り,これまでのビジネスモデルを,より強力に推進していこうとしているのは,間違いない。ストレージだけではなくて,CPUパワーも,通信帯域も,事実上無制限に提供しましょう,ということだが・・・。いつまでも,今のビジネスモデルを拡大し続けられるのだろうか。どこかで,落とし穴がありそう。特に,通信帯域で大きな壁に突き当たると見ているのだが。
◇参考
・In a world with infinite storage, bandwidth, and CPU power (Geeking with Greg)
参考に,BBCニュースの一部を
The GDrive, previously the subject of chatroom rumour, would offer a mirror of users' hard drives, Reuters said.
Google declined to comment on the reports but said the slide notes had now been deleted.
In the notes, chief executive Eric Schmidt reportedly said Google's aim was to "store 100%" of users' information.
実は、書き込んだあと、ネットを歩き回った結果、当初、グーグルがpostしたパワーポイント版(グーグルサイトに今あるのはPDF版)を発見、ダウンロードしました。PPT版ですと、メモ欄も残されていて、ここに、Gdriveについてばっちり書かれています。しかし、webcastでのスピーチを聞く限り、Gdriveへの言及はないのも事実です。
おそらくは、プレゼン前には、Gdriveへの言及も一時考えたのでしょうが、何らかの理由で、具体的な言及は取りやめたのでしょう。PPT版のpostも何らかの手違いで、PPT版を見た、ブロガーが騒ぎ立てたので、気がつき、PDFに差し替えたのでしょう。