米Time誌の最新号(2010年4月12日号)はスティーブ・ジョブズ の顔写真である。それに合わせたカバーストーリーは、見出しが"The iPad Launch: Can Steve Jobs Do It Again?"と"Do We Need the iPad? A TIME Review"の、iPad関連記事となっている。
この最新号も4月3日発売のiPadで読むことができるようになる。注目の価格は号あたり4.99ドルと、電子雑誌に賭ける米タイム社の意気込みが伝わる値付けといえそう。
March 22, 2010
一方アマゾンのキンドル(Kindle)版の価格は、月間2.99ドルである。Time誌は週刊誌なので、号あたりの購読料は0.75ドル以下となる。つまりiPad版の価格はKindle版より5倍以上も高いことになる。iPadはカラーだし、紙の雑誌記事に加えて動画や写真スライドなど特別のコンテンツも備わっている。
Time誌の紙雑誌の価格はどうなのか。Time誌を年間購読すると20ドルで済み、号あたり0.36ドルと非常に安くなる。
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購読料を安くして定期読者を増やし、広告収入に頼っていこうとするのが米雑誌の一般的なビジネスモデルである。Time誌の昨年の発行部数は号あたり337万部で、そのうち327万部が定期購読で、10万部が1部売りである。
実は、今回のiPad版Timeの4.99ドルは、ニューススタンドで紙の雑誌を1部売りする時の価格である。一方で、Web上でもTime誌の記事の大半(冒頭で述べたカバースートリーの記事も)を無料で読めるし、またiPhone版もモバイル環境で無料で読める。
iPad版Timeはプレミアムコンテンツを売り物にしているようだが、はたしてどれくらいのユーザーが4.99ドルを払ってまで読んくれるか、注目したい。
◇参考
・TIME magazine iPad app FAQs:(Time)
・Time Inc.‘s Tablet Push Starts With Time Mag App At $4.99 An Issue(paidContent)
・Amazon: Time To Cut Kindle To $149, Piper’s Munster Says(Barrons)