火山灰の影響で、ヨーロッパを発着する航空便がほとんど欠航となっている。そのお陰で、航空機が排出する大量のCO2が、ヨーロッパの空において激減したというのだ。
以下の図のように、通常、ヨーロッパの航空機は毎日34万4000トンのCO2を排出している。ところが、今回の火山噴火で60%の便が欠航したとすると、毎日20万トン以上のCO2を削減できることになる。一方、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル(Eyjafjallajoekull)氷河の火山噴火で排出しているCO2は、1万トンにも満たない7412トンである。この推定値が正しいとすれば、確かにすごいCO2の削減となる。

(ソース:Information is Beautiful)

以下は、Eyjafjallajoekull火山のCO2排出量を計算するための、前提データである。専門家でないので、真偽のほどはわからないが。

最初の表でも示されているように、航空機が排出するCO2は膨大で、2025年にはその量が現在の倍以上になる心配があるという。今回の火山爆発は、地球温暖化が自然現象(火山噴火)でなくて人為現象(航空機)により引き起こされていることに対する警鐘なのかな。
追記:
Eyjafjallajoekull氷河そのものは観光コースでないはずだが、その氷河の近辺ではトレッキングやスノーモービルを楽しめる。温泉プールや露天風呂が多い。

追記(訂正):4月23日
出典元のサイトで、火山のCO2排出量が7500トンよりもけた違いに多いとの訂正がありました。15万から30万トンくらい、毎日排出していると訂正しています(AFPの記事)。これだと、一時的にもCO2排出量が削減しなかったかも。それに航空便が再開しはじめているし。
この件については、早大の小林宏一先生や、読者(コメント)からご指摘を頂きました。ありがとうございます。
◇参考
・PLANES OR VOLCANO?(Information is Beautiful)
・Icelandic volcano won't affect the world's climate(abc.net.au)
・商業航空のCO2排出量、推定より2割多い:「隠蔽されていた報告書」の結論(WIRED VISION)
・Tracking the Cancellations(NYTimes.com)
火山のCO2排出量は無視して貢献したとしてもいいと思います。