総売上高はNYTが前年同期比3.2%減、McClatchyが同11.2%減とマイナスが続いている。黒字になったのは、大幅に営業経費を削ったためだ。NYTは前年同期比で18%も、またMcClatchyは23%も経費を削減した。
いつまでも厳しい経費節減に頼っていけないので、これからは景気回復に伴って、総売上高を増やしていかなければならない。そのためには総売上の大半を占める広告に期待したいのだが、景気回復に向かい始めている今年に入っても広告売上高が未だに大きく前年を下回っているのが現状だ。NYTが同6.1%減、McClatchyが同11.2%減となっている。
その広告売上高の内訳が深刻な問題を浮き彫りにしている。新聞社の広告売上では、新聞紙広告がオンライン広告よりも圧倒的に多い。その新聞紙広告が、NYTでは同12.3%減、McClatchyでは同14%減と、厳しい状況が続いている。プリントメディアの広告が激減しているのは構造的な問題を抱えているためで、景気が上向いても回復しないのではとの不安がくすぶっていたが、現実にそのようになってきている。
一方で、オンライン広告はマイナス成長からプラス成長に復活してきた。NYTは18.3%増で完全に回復している。McClatchyも2%増のプラスに転じた。だが悲しいかな、オンライン広告の増収分で新聞紙広告の減収分をとても補えないのだ。このままでは、広告売上げの長期低落は避けられないのかも。
*NYT社(The New York Times Company)の2010年1-3月期決算(単位:1000ドル)
*The McClatchy Company の2010年1-3月期決算(単位:1000ドル)

◇参考
・The New York Times Company Reports 2010 First-Quarter Results(プレスリリース)
・McClatchy Reports First Quarter 2010 Results(プレスリリース)
・Gannett Co., Inc. Reports First Quarter Results(プレスリリース)
・New York Times, McClatchy Decline on Print Ad Slump (Update1)(Bloomberg Businessweek)