スマートフォン専用ページを表示

メディア・パブ

オンラインメディアをウオッチ
<< 米雑誌社コンデナスト、ビジネスモデルを見直して再飛躍めざす | TOP | 3DTVに最も無関心な国民は日本人? 最も関心度が高い国民はアラブやアフリカの人たちか >>
2010年08月12日

北米のスターバックス、無制限のWi-Fi利用環境を提供しWSJなどの有料記事がフリーで読み放題

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 スターバックス(Starbucks)といえば、2年ほど前には経営危機で多くの店を閉鎖し大規模なレイオフを実施していたが、最近は急回復し絶好調である。ソーシャルメディアなどのネット活用も功を奏したようである。

 そして秋には、Yahooと組んで新しいネットワークサービスに挑む。その布石として2010年7月1日から、スターバックスの店内顧客に対して、時間無制限のWi-Fi(無線LAN)を利用できるようにした。これまでも集客のためにWi-Fi環境を提供していたが、同店のカード保有者(Starbucks Card Holders)に限定し,利用時間も最大2時間までとなっていた。

 無制限にWi-Fiを利用できるのは、全米6800店とカナダ750店に来た顧客であるが、それらの顧客向けにYahooと組んで独自のネットワークサービスを提供していく予定だ。まず、The Wall Street Journal, the New York Times, USA Today, AOL’s Patch community news, Zagat restaurant reviews,そして Apple’s iTunes digital music storeなどの有料を含もコンテンツを、店内顧客がフリーで享受できるようになりそうだ。つまり、スターバックスに行けば、有料サイトの課金の壁(pay wall)が取り払われ、WSJ.comの記事などがタダで読めるようになるんだろうな。

 また、店内からアクセスした顧客に特別割引やクーポンを付与して、音楽やビデオ、オンラインゲームなどを販売することも企てているようである。すでにスターバックスは、ソーシャルメディアを介した巨大なコミュニティーを作り上げているだけに、新しいネットワークサービスを盛り上げることは簡単に実現できるはず。

 
 ここで、スターバックスのオンラインコミュニティーについて見ておこう。最近人気の高いオンラインコミュニティーとなると、Facebook(ファンページ)とTwitterで、米国の企業やタレントなども力を入れ込んでいる。際立った成果を上げている企業コミュニティーの一つがスターバックスである。Famecountの調査データによると、以下のように、スターバックスのFacebookファンページには1200万人以上のファンが集まっており、またTwitterアカウントには約100万人がフォローしている。企業のコミュニティーとしては目を見張る規模である。

StarbacksFamecount20100810.jpg

 さらにFacebookのファンページでは、以下のように、現在もすごい勢いでファン数が増え続けている。

StarbacksFamecount20100810Facebook.jpg

 なんで、そんなに人気あるのか。2010年6月22日に開かれたSocial Media Conference 2010 で、同社Director of Digital StrategyのAlexandra Wheeler氏が以下のスライドでソーシャルメディア戦略を説明している。

Social Media Influence 2010: Alexandra Wheeler, Digital Director, Starbucks
View more presentations from Social Media Influence.


 例えば、上のスライドの31ページには、位置情報サービスfoursquareの活用事例が紹介されている。16ページに紹介している"My Starbucks Idea"では、スターバックスで実施してほしいサービスアイデアを募っており、それら提案されたアイデアについてコミュニティーの中で議論したり、社員が意見を述べたりしている。多くのアイデアが実際の店のサービスとして実現しているという。

StarbacksIdea.jpg





◇参考
・Starbucks Brewing Up Big Digital Ambitions(Portfolio.com)
・Starbucks Free Wi-Fi Now Available in U.S. and Canada(Mashable)
・Starbucks' free Wi-Fi will let customers get around paywall sites for free, too( Download Squad)
・Free Wi-Fi is Just a Small Part of Starbucks' Plan: Free Access to Paid Content Coming Fall 2010(ReadWriteWeb)
・Starbucks Recipe For Social Media Success(Directory Journal)


この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 11:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
Powered by Seesaa
Seesaaブログ
新着記事
(10/17)激しく責め立てられる「…
(09/19)動画配信のソーシャル系…
(09/11)SNS上のニュースは不正…
(07/28)勢いが続く「LINE」「In…
(06/30)TVニュースだけではなく…
(06/15)ニュースユーザーのFB離…
(06/01)高年層のSNS利用が増え…
(05/21)金融新聞「FT」までがFB…
(05/06)米ニュースメディアが相…
(04/16)モバイル広告市場を牽引…
(04/10)FBのアルゴリズム変更後…
(03/14)紙の「雑誌ブランド」は…
(02/07)「メディア」も「プラッ…
(01/30)国民の信頼が最も低い米…
(01/21)メディアに好かれる「グ…
(12/21)若いミレニアル世代ほど…
(12/08)世界の全広告費の25%を…
(11/28)デジタル売上8億ドルの…
(09/28)「グーグル」と「FB」が…
(09/07)FBに頼る海外のニュース…
カテゴリ
RSS配信 ブログ(202)
マーケティング 広告(339)
新聞 ニュース(702)
出版 雑誌(319)
TV  ビデオ ラジオ(277)
ポータル サーチエンジン(179)
メディア(94)
ケータイ モバイル(115)
市場(144)
その他(47)
日記(1)
Web2.0 SNS CGM(312)
ネットワーク(30)
ビッグデータ AI(4)
過去ログ
記事検索
 
プロフィール
名前:田中善一郎
E-mail:ztanaka@excite.co.jp
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。