世界市場での展開を図る企業はもちろん、映画スターや歌手、スポーツ選手などのエンタテインナーも使い始めている。Twitterアカウントを取ったり、Facebookにファンページを設けたりして、ファンクラブ的な巨大なコミュニティーを構築していこうとしている。そこではTwitterのフォロワー数やFacebookのファン数を増やし、顧客と直結するマーケティングチャンネルの強化に躍起となっている。クリック一発で手軽にフォロワーやファンになれることもあって、フォロワー数が500万人を超えるTwitterアカウントや、ファン数が1000万人を超えるFacebookファンページが続々と生まれている。どうも最近、フォロワー数やファン数の増え方が加速化しているようだ。
まずTwitterアカウントのトップ10を以下に示す(Famecountより)。フォロワー数の多い順に並べたランキングである。10日ほど前に、レディー・ガガがブリトニー・スピアーズをフォロワー数で追い抜いてツイッター女王の座に就いたと、芸能ニュースが騒でいたように、国際的に活躍しているスターが上位を占めている。

(2010年9月4日、Famecount)
フォロワー数が月率10%前後で毎月増えているアカウントも珍しくない。たとえば急激にフォロワー数を増やすJustin Bieberのアカウントは、前月比19.1%増で500万人を突破したが、今年の2月初めの約100万人から約5倍もファンを獲得したことになる。

(ソース:Famecount)
一方、Facebookのファンページも、タレントだけではなくて、企業も盛んに利用し始めている。8月25日の記事で、食料や飲料会社のファンサイトが凄い勢いでファン数を増やしていることを伝えた。同じようにグローバル市場で争うファッション関係の有力企業のファンサイトも、月率15〜20%でファン数を増やしてきている。

(2010年9月1日、Famecount)
ファンページを持つスポーツ選手やミュージシャン、映画スターも増えてきた。人気タレントのファンページも多くが、月率10%以上でファン数を増やしている。

(2010年9月1日、Famecount)
サッカー選手の Ronaldoのファンページは、彼の一言日記が載っている程度のファンページだが、毎日、いいよ!が平均1万件、コメントが数千件程度寄せられている。先の企業のファンサイトでも、Victoria's SecretとVictoria's Secret Pink では、ファンからのいいよ!件数やコメント件数も多く、ユーザーからの反応は良さそうだ。
ただし、国際的なソーシャルメディア・プラットフォームなだけに、上で示したファンページやアカウントは英語が中心となる。ポルトガルのRonaldo選手のファンページでも、英語が中心であるが、ポルトガル語などの英語以外の言語も使われている。ファッション関係では、グローバル展開に力を入れているユニクロが頑張っていると思っていたのだが、同社のファンページを見てやや期待外れであった。ファン数も13万3118人と少ない。言語は中国語、英語、日本語が飛び交っており国際的で良かったのだが、イベントの案内などがおざなりな感じがした。
エンタテインナーも、国際市場に打って出るなら、国境なきソーシャルメディア・プラットフォームにおいて英語でコミュニケーションすべきなのかな。香港の成龍 Jackie Chanのファンサイトは、ファン数が495万人に達しており、英語が中心である。また同じ中国の李连杰 Jet Liのファンサイトのファン数は327万人を超えているが、やはり英語が中心で中国語はほんの一部である。韓国のスターもファン数が100万人を超えた俳優が出てきている。Lee Minho (이민호)のファンサイトではファン数が104万人。やはり英語がほとんどであった。
アジアのスポーツ選手のファンページを探していると、Hideki Matsuiのページを発見。でも、何のメッセージもないので、誰かが勝手に開設したのだろうか。おそらく本人も知らないのかも。25万人のファンが付いているのだが。同じスポーツ選手でも韓国のフィギュアスケートの金メダリストYu-Na Kimのファンサイトは豪華だ。ファン数は14万7000人とまだ少ないが、力が入っている。言語はほとんど英語である。
こんなところでも、内向きがちな日本の企業やタレントの影が薄いのが気になるが・・・。