そのAOLがネット業界で最も影響力のあるブログTechCrunchを買収したというから、大騒ぎになるのも当然。今日のTechCrunchの記事の見出しが、Tim Armstrong: We Got TechCrunch!。AOL CEOのTim Armstrong氏の寄稿記事で、見出しに興奮ぶりが伝わる。
「We Got TechCrunch」は映画「You've got mail」ももじったもの。AOLの電子メールを舞台にしたメグ・ライアンとトム・ハンクス主演の映画である。AOLはパソコン通信時代を制覇した勢いで、インターネット時代も主役の座を堅持すると見られており、この映画が封切られた90年代末もAOLの影響力が抜群で、この映画を見て、電子メールを利用し始めた人も多かった。そして勢いに乗ったAOLが2000年にタイムワーナーと史上最大の合併劇を演じた。ところがネットバブルが崩壊に伴って、新旧メディアの巨大合併が破局へ。そして、お荷物のAOLはタイムワーナーから切り離されてしまった。
ところが、AOLは復活を企んでいた。会長兼CEOに,Google副社長(広告担当)であったTim Armstrong氏が就任したのだ。復活劇の目玉の一つが、世界最大級のオンライン出版を作り上げることである(こちらを参照)。でも、MediaGlowのブランド名を冠したサイト(ベーター版)を立ち上げていたのに、いつのまにか消滅したりしていたので、ほんまにうまくいくんかなと半信半疑で見守っていたのだが。TechCrunchを買収となると、AOLの動きもちょっと面白くなってきた。
そこで、大まかにAOLの現状を。comScoreの2010年8月データによると、月間ユニークビジター数が1億717万人で、米国で5位につけている。今でも、1億人のユーザーがAOLサイトに訪れているとは。これは凄い資産で、新しいメディアサイトを育てる強力なパワーとなりえる。
![comScoreTop201009.jpg](https://zen.up.seesaa.net/image/comScoreTop201009-thumbnail2.jpg)
AOLが現在抱えるメディアサイト(AOL Network)は次の通り。これに、TechCruchを筆頭にMobileCrunch, CrunchGear, TechCrunchIT, GreenTech, TechCrunchTV and CrunchBaseも仲間入りするこになる。
![AOLNetwork20100929a.jpg](https://zen.up.seesaa.net/image/AOLNetwork20100929a-thumbnail2.jpg)
![AOLNetwork201009b.jpg](https://zen.up.seesaa.net/image/AOLNetwork201009b-thumbnail2.jpg)
これらのサイト中には、すでにブランド力のあるブログが少なくない。Technoratiの世界のブログランキングでも、トップ10のAOLのブログが三つも入る。
Technorati Top 100
1. The Huffington Post
2. TechCrunch
3. Gizmodo
4. Mashable!
5. Engadget
6. Gawker
7. TMZ.com
8. The Daily Beast
8. Boing Boing
10. Hot Air
また技術分野でも、影響力抜群の2大ブログがAOLのものとなる。
Techmeme Leaderboard
1・TechCrunch (11.53%)
2・Engadget (5.01%)
3・New York Times(2.81%)
4・Silicon Alley Insider(2.49% )
5・VentureBeat (2.42% )
◇参考
・Tim Armstrong: We Got TechCrunch!(TechCrunch)
・It’s Official: AOL Acquires TechCrunch (And Mike Arrington, For Now)(paidContet.org)
・AOLが世界最大級のオンライン雑誌社を目指す,タイムの紙雑誌リソースに頼らず