ところが今年に入って、明るい話が増えてきた。広告市場も落ちるべきところまで落ち込んでしまったし、景気も底を打ったこともあってか、雑誌の広告売上がリバウンドしてきたのだ。今年第3四半期の米雑誌の広告売上げは前年同期比で5.3%増と、今年第2四半期に続いてプラス成長に入った。また一昨日、minが発表した米月刊誌の今年の広告ページ数からも、多くの雑誌が回復軌道に乗っていることが読み取れる。
以下は、今年(1月-12月)に広告ページ数を増やした米月刊誌のトップ10である。トップのファッション誌「Vogue」は、昨年に比べ今年、319ページも増やしている。昨年(2009年)は150誌の中で10誌しか広告ページ数を増やしていなかったが、今年(2010年)は149誌中99誌もが広告ページ数を増やした。

先月上旬にAdvertising Ageが、恒例のMagazines A-Listを発表していた。以下は、AdAgeが選んだ今年の優れた雑誌トップ10である。
1.People StyleWatch
2.The Atlantic
3.All You
4.Cooking Light
5.Food Network Magazine
6.Parenting
7.Harper's Bazaar
8.Elle Decor
9.Vice
10.Wired
Viceを除く9誌の、今年および昨年第3四半期の広告売上高と広告ページ数を以下に掲げておく。いずれも広告売上/ページ数が急速に回復している。

(ソース:MPA(The Association of Magazine Media)
ついでに、米国の代表的な雑誌が、今年第3四半期の広告売上高を前年同期に比べてどれくらい増減させているかを調べてみた。以下のように20〜30%前後、広告売上を増やしている勝ち組雑誌が目立つのに対し、いまだに10%前後のマイナス成長で負け続けている雑誌も少なくない。表では載せなかったが、Newsweek、Time、Business Week、Fortuneなどの日本でもお馴染みの雑誌も、広告売上を減らし続けている。

(ソース:MPA(The Association of Magazine Media)
◇参考
・People StyleWatch Is Ad Age's Magazine of the Year(AdAge)
・Auto rebound fuels mag ad page jump(NYPost.com)
・Top 10 Monthly Mags of 2010: Print Back in 'Vogue'(minonline)