the International Digital Publishing Forum (IPDF)はthe Association of American Publishers(AAP)と連携して、電子書籍の売上を定期的に公表しているが、このほど最新の2010年8月データを明らかにした。下のグラフは、2002年から2009年までの電子書籍の年間売上高(卸売ベース)の推移をグラフ表示しているが、今年のデータは表で示した。7月と8月のデータから推測すると、今年第3四半期(7月〜9月)は約1億2000万ドルとなり、年間では4億ドルを超えそう。ただし卸売チャンネルを介していない電子書籍や電子学術書などは計数されていないし、小売売上ベースでは2倍近くになっているという。
次のAAPが提供している表は、全書籍と電子書籍の年間売上である。今年は8月までの売上を示しているが、年間では4億ドルを超えるのは間違いないであろう。全書籍売上のうち電子書籍の占める割合は、昨年が3.31%で、今年は8月までで約9%であるが、12月までだと10%台に乗せそう。
(単位:100万ドル)
米国の電子書籍が離陸し始めたのは、アマゾンのキンドル(Kindle)が出現してきたからだ。Cowenの調査によると、Kindleが米国の電子書籍市場の76%を占めており、Kindleの電子書籍の2011年売上は前年比195%増の7.01億ドルになるという(小売ベースのはず)。先行しているKindleのシェアが高いのは当然かもしれないが、今後同社のシェアは減り始め2015年には51%になると、Cowenは予測している。
◇参考
・Ebook sales grow 172% in August according to the IDPF(TeleRead: Bring the E-Books Home)
・New: Book Sales Statistics (including E-Books) from the IDPF and AAP(Resource Shelf)
・AAP Reports Publisher Book Sales for August(the Association of American Publishers:AAP)
・Amazon has 76% of e-book market, survey reports(TeleRead: Bring the E-Books Home)