米国の雑誌や新聞は,日本以上に広告売上に高く依存している。つまり,広告売上が販売売上を凌いでいるのだ。ところが印刷(紙)媒体への広告が,かなりの勢いでオンライン(ネット)媒体へと流れ出している。調査会社Jupiterは,米国では2年以内にも,ネット広告売上が雑誌広告を上回ると予測する。
専門性の高いBtoB雑誌では,ターゲットを細かくセグメントした,いわゆるターゲットメディアが,印刷版からオンライン版へといち早くシフトしている。販促効果を要求するターゲット広告がネット媒体に向かっているからだ。
一方,コンシューマ読者を対象とするBtoC雑誌,特に100万人以上の購読者を抱える有力誌となると,印刷版が主役であり続け,オンライン版は印刷版の支援役か補完役に甘んじていた。ところが,昨年あたりから,一部の有力BtoC誌がオンライン版を再構築し,大きな収益源媒体に育てようと動き始めた。
その例として,有力スポーツ誌“Sports Illustrated”と有力ビジネス経営誌“BusinessWeek”を取り上げ,オンライン版の新たな取り組みをclickzが紹介している。ともに,オリジナルコンテンツの更新頻度を高め,ユーザーにより多くアクセスしてもらい,広告媒体としての魅力を増すことを目指す。
“Sports Illustrated”のオンライン版SI.comは,広告スペースのサイズの種類が多すぎたのを3種類にまとめ,またページあたりの広告本数を最大2本に限定した。広告の訴求力アップを目指す。オリジナル記事は毎週150本掲載する。ビデオコンテンツも充実させる。
BusinessWeek Onlineは,週間の解説ではなくて毎日のインターラクティブ・コンテンツに力を入れていく。 Tech & Science channel に最近ブログを設けたのもその現れだ(別のエントリーで紹介)。
Magazines Gussy Up Web Sites to Court Ad Dollars
http://www.clickz.com/news/article.php/3461701
Jupiter: Net Ads to Overtake Magazines in '07
http://www.marketingvox.com/archives/
2005/01/17/jupiter_net_ads_to_overtake_magazines_in_07/index.php
Magazines Adjust to Online Ad Market
http://www.marketingvox.com/archives/2005/01/20/
magazines_adjust_to_online_ad_market/index.php?rss1
2005年01月22日
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